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2009年9月22日 (火)

埼玉~仙台サイクリング - 再挑戦 -

今回の挑戦は親戚や友人を含め、事前に誰にも告知しなかった。

所沢の弟や職場の仲間や自転車仲間などがシルバーウィークの予定を訊ねてきた…というか、今度はどんな馬鹿をしでかすかという顔で訊ねてきたが、『まだ暑いしヘタレなのでそこら辺を少し走るだけ』と言ってシラをきり通した。

とにかく今回の挑戦は隠密裏に行いたかったので、もし挑戦が失敗すればこの日記ともども全てを闇に葬るつもりだった。





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まずは挑戦失敗の模様から。

最初の挑戦日時は2009年9月20日(日)、午前10時。
ひたちなか市(水戸市の東)まで県道を行き、後はR6を北上する予定。




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最初の挑戦はあえなく失敗した。

筑西市のR50とR50バイパスとの合流付近のコンビニまで走ったが、向い風が強すぎて腰が痛んできた。事前の風予報では茨城と福島(海沿い)は向い風。これでは話にならないので中止した。

総走行距離107km。
向い風と腰の痛みに耐えるだけの悲惨なサイクリングだった。
以下、走行データ(自宅玄関前にて撮影)。




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総走行距離:107.62km




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アベレージ:24.2km



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総走行時間:4時間25分55秒(≠実際の経過時間)



『もう、シルバーウィークは大人しく過ごそうかな』

…とすっかり弱腰になるも、諦め切れないので翌日(5連休3日目)の予報を見ると最高気温23度と今日より3度低く栃木-福島の殆どが追い風だった。ただし茨城-福島の海沿いは相変わらず向い風だ。

もし挑戦するなら前回と同じR4ルートになってしまうが、これほど挑戦にうってつけの条件はない。今後こんな理想的な状況で挑戦できるとは思えない。神様がくれたチャンスだ。行くしかない!




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9月21日(月)、6時起床。
7時半に食事と風呂とストレッチを済ませ、午前9時スタート。

タイヤに空気を入れるのを忘れて2分ほど出発が遅れたが、自分のミスなので、当然その分はタイムに加算する。




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■10時(1時間後) 古河市上大野交差点(走行距離23km 差0:00)
■11時(2時間後) 下野市下坪山交差点(走行距離47km 差-0:05)

※2時間20分後 上三川町「ケイヨーD2上三川店」に寄る(約20分)
■12時(3時間後) 宇都宮市瑞穂野南交差点(走行距離59km 差0:00)


「差0(時間):00(分)」の表示は、前回の埼玉→仙台駅サイクリングとの時間差を表す。マイナスなら今回のほうがその分速いことになる。

…しかし、何回この道を走ったろうか。
すっかり走り飽きたR4バイパスの側道を北へひた進む。

走行中、愛車からチリッチリッと異音がしているのに気が付く。
原因はチェーンの油切れで、昨日100km走った後チェーンを洗ったのだが、その際油を差すのをすっかり忘れていた。

降りてチェーンを見ると細かいキズが無数についている。
チェーンが切れたらリタイア確定なので最寄りのホームセンターに飛び込む。だがホームセンターはレジが丁寧すぎてこういうとき困る。商品を見つけて会計を済ませるまで10分以上ロスしてしまった。




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※12時30分(3時間30分後) 宇都宮市平出工業団地手前で飲料補給とストレッチ(約10分)

遅れを取り戻そうとホームセンターで買った塩キャラメルをなめながら走る。走りながらの補給は初めてだが、かなり有効だと感じた。
詳しい理由は追々書くが、今回はコンビニ休憩を最小限に留める。

宇都宮の平出工業団地前にて自販機補給とストレッチと湿布貼り。
当然だが今回は信号が赤になりそうだったら突っ切らずに停車し、待ち時間をストレッチに充て、仙台駅に着くまでそれを徹底した。

過去のサイクリングで腰の痛みなど様々な苦しみを体験した。
今回の挑戦はそれらを少しでも軽減し、快適かつ安定した走りが出来るように準備を重ねてきた。




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■13時35分(4時間35分後) 矢板市セブンイレブン矢板インター店(走行距離91km 差?)

最初のコンビニ休憩。
コンビニは空腹を満たす(ハンガーノック予防)目的でのみ立ち寄った。

コンビニ休憩では施錠場所の選定→施錠→貴重品(バッグやライト等)の着脱を要する上、買物や補給を行うと急いでも15~20分ほど掛かる。よってコンビニは空腹を満たすときのみ立ち寄り、ストレッチは信号待ちの合間に行い、飲料の補給は自販機で済ませるようにした。

ストレッチについても調べた。
腰と太もものストレッチのうち立ったまま行えるものを吟味し、実戦で素早く確実に行えるよう練習を積み重ねた。

『人は失敗をバネに強くなる』
過去の失敗を糧に不安材料を根こそぎ潰したはずだが…




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那須塩原市に入る手前。
日本最大の長さと最大4車線を誇る国道4号線は、北上するにつれ、人家のすぐ脇を通る細く頼りない姿が見られるようになる。

昔、運転免許を取って車を乗り回していた頃、R4がこんな姿に変わるのを見て、驚きというか寂しさというか、複雑な気持ちを抱いた。

それ以来、那須には特別なイメージを持ち続けている。




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■15時07分(6時間07分後) 那須町入口(走行距離128km 差-0:33)

栃木県内で追い風の恩恵を受けられたので前回より33分早い。
気温は26度。『昨日の予想と全然違うじゃねぇか』と首に巻いたタオルで額の汗をぬぐいながら独り言のようにボヤく。

六度目の那須越えに挑む。那須町の標識を見るたびキッと気が引き締まり、緊張と畏れが同居した気持ちになる。




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※15時54分(6時間54分後) 福島県突入&ストレッチと腰の湿布交換(約10分)

軽いギアでの走行や信号待ちでのストレッチが効いたか、ここまで腰の痛みはほとんど無かったが、さすがは那須、そう簡単に事を運ばせてくれなかった。坂道を上り続けるうちジンジンと腰が痛んできた。

福島県西郷村の標識前で記念撮影し、ストレッチを入念に行う。

誰もいない歩道でストレッチをしていると、自転車乗りが那須から下ってきた。道を開けて会釈すると笑顔で通り過ぎていった。




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■16時20分(7時間20分後) 西郷村セブンイレブン白河インター店(走行距離141km 差?)

フタバ超デカチョコバーうますぎ。
騙されたと思って140km走ってから食べて欲しい。

那須越えで消耗した体力と空腹を満たすため西郷村のセブンイレブン寄る。といっても補給とストレッチのみで休憩は取らない。

2リットルの水を買ってアミノバイタルの粉を溶かして補給用の飲料を作り、残りで喉の渇きを癒し、手や顔の汗を洗い流した。




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矢吹町のパチンコ店「第三日活」。昔、「旅打ち(旅をしながらパチンコを打つ)」をしていた頃、ここにも寄ったことがある。

旅打ちしていたのはかれこれ15年前(※2009年時点)だが、ここを通るたびにお店がいまだに当時の姿で残されていることに驚かされる。




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■17時26分(8時間26分後) 鏡石町入口(走行距離165km 差-0:27)

鏡石に入った。ペースは前回より27分早い。
暗くなったのでオートだと勝手にフラッシュが焚かれてしまう。




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■18時(約9時間後) 郡山(あさか野)バイパス分岐(走行距離177km 差?)

R4バイパスとR4(郡山市内)との分岐。
ミニ三脚をセットし、フラッシュは焚かずにタイマーで撮影した。

このバイパスは分岐ごとに自転車はバイパスの高架下に下ろされ、そのたび長い信号待ちを受けるが、そのデメリットを補って余りあるほど走りやすい。もちろん今回もバイパスを走る。

日は完全に沈んだ。
さあ出番だ、秘密兵器「Dosun m1+」よ!




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■18時33分(9時間26分後) 日和田ショッピングモール前(走行距離188km 差-0:33)

新ライト「Dosun m1+」に死角無し。夜でも昼間と同じ速度で走れる。
光量を最弱にしてもキャットアイEL520より明るい。何という頼もしさ。

郡山シンボルの大観覧車をバックにミニ三脚でタイマー撮影。

前回より出発を3時間遅らせたのは仙台駅到着後の暇つぶしの時間を減らすためだが、そのおかげでここで良い夜景を撮れた。ただミニ三脚を地面すれすれに設置し、身を屈めて液晶を確認しながら何枚も撮り直したので、これを撮るだけで10分近くロスしてしまった。




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※18時50分(9時間50分後) 本宮市セーブオン本宮インター店で補給(約20分)

いつも店内が混み、トイレ前に行列を作っているセブンイレブンをスルーし、あえてマイナーなセーブオンに立ち寄る。

セーブオンはおにぎりが88円だったり、39円アイスがあったり、500mlのペット飲料が他のコンビニより安く売られているので、味にこだわらなければ手頃な価格で落ち着ける良いコンビニだと思う。

個人的にはサイクリングの補給では最高のコンビニだと思っている。




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■19時53分(10時間53分後) 本宮市「仙台まで98km前」(走行距離? 差-0:37)

気温は17度。鏡石を過ぎて日が暮れてからめっきり冷えてきた。
上着は速乾シャツと長袖のヒートテックシャツ、下はレーサーパンツの上にワークマンで買った500円のジャージをはいている。

昼間は半袖で充分だが夜は冷え込むので長袖にした。ただしバッグの容量に余裕が無いので、昼間は袖をまくって暑さを凌いだ。




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※21時25分(12時間25分後) 桑折町サンクス福島桑折町店で補給(約20分)

気温は15度。止まってると寒い寒い。
晩秋や冬なんか絶対挑戦したくない。

本宮から補給を引っ張ったのは、この後の国見-越河峠の前に飲料を補充し、万全の体制で挑みたかったから。それが良かったのか今回は安定した走りでタイムを大幅に短縮できた。

それにしても今回は気味悪いほど補給が上手く決まっている。
食いすぎ、空腹、飲料切れ、飲みすぎによる腹の冷えや食欲減退など、補給にまつわるトラブルは発生していない。

身体面は夜の冷え込みのせいか本宮のセーブオンでの補給直後から右膝に痛みを抱えてしまったのは想定外だったが、その他は腰の痛みが時折ぶり返すくらいでおおむね順調に推移している。




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■21時51分(12時間51分後) 国見-越河峠入口(走行距離251km 差-0:50)

最後の関門に挑む。
前回との差は50分。なかなか差が広がらないが前回は峠を越えてから失速し、30分超の休憩を2回取ったのでまだチャンスはある。




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■22時06分(13時間06分後) 宮城-福島県境(走行距離254km 差-0:47)

こういう挑戦をすると、いっそ心など無ければいいと思うことがある。
人は心があるから痛みや苦しみを感じるのであって、もし昆虫や、植物、道端の地蔵のように、つらいときに何も感じずにいられるのならば、どれほど楽だろうと思う。

でも人は心があることで喜びや幸福、達成感を得ることができる。
これは昆虫や植物、無機物には為せない人だけの特権だろう。だからつらいときや苦しいときは、そう考えるようにしている。

最後の関門は越えた。




※23時52分(14時間52分後 名取市の自販機で飲料補給とストレッチ(約10分)
国見に入り、15時間台も可能かもしれないと気が付き、桑折町のサンクスから仙台駅までの約68.5kmをぶっ通しで走ることにした。

最初はまず18km走り、残り50kmになったら自宅から職場(片道25.6km)の往復をこなすつもりで走れば良いと甘く考えていた。
しかし体力満タン&疲労ゼロからの50km走行と260km以上走ってからの50km走行ではあらゆる面で様相が異なった。





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■0時09分(15時間09分後) 仙台バイパス分岐(走行距離303km 差?)

足はとっくに売り切れている。無風なのに20~22km/hしか出ない。

脱力感が酷い。ハンガーノックの兆候だろう。過去に一度経験した。
さきほど自販機で補給したアクエリアスをがぶ飲みしてごまかす。

猛烈な眠気が襲ってきた。
これまで自転車を漕ぎながら眠くなるわけないだろうと思っていたが、今日それを自分が体験することになった。まぶたが重い。まっすぐ走るのが難しい。

写真は名取のR4バイパス分岐地点。
目印は右側のボーリング場。これを見ると終わりが近付いたことを実感する。




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■0時53分(15時間53分後) 仙台駅到着(走行距離314km 差-1:54)

0時53分到着。
前回の記録を2時間弱更新したが、さすがに終盤は無理が祟った。
眠気対策は出発時刻で調整するとして、ハンガーノック対策は塩キャラメルなど携行する等の必要性を感じた。

桑折町-仙台駅まではこれまでの3本の指に入るほどきつかった。
なお他の2本は「真夏の犬吠埼~笹川駅~(輪行)~我孫子~自宅」と「筑波りんりんロードを走った後の岩瀬駅~自宅までの70km」。




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総走行時間が「2:59:43」なのはサイコンの表示が9:59:59までしかないためで、正しくは10:00:00+2:59:43=12:59:43が記録になる。なおサイコンの総走行時間は信号待ちなどの停止時はカウントされないので純粋に走った時間だけが表示される。

アベレージも同様でサイコン上の走行時間に対する平均速度が表示される。よって補給や信号待ち等を含めた実時間から計算する平均速度よりは速くなる。

オドメーターは4桁に突入。
愛車を買ってからの積算だと5000~6000kmくらい。




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腹ごしらえを済ませて深夜のクリスロードを散歩。
ケツと腰が痛いので前回と同じく自転車を押しながら徘徊。

今回、身分証は持参したが、ネット喫茶はどこも入会費含めて1,500円ほど掛かるので入るのを止めた。そんなことに金を使うのなら、その分を新幹線代や飯代に回した方がはるかに有益だろう。

クリスロードではゲームセンターF-1からリニューアルされたF-1Rと、gamiさんの大好きなエーグルの店舗を記念撮影。

仙台駅のオープン(4時半)まで2時間ほどあったので、クリスロードのベンチに腰掛けて身体をほぐし、若者グループの演奏に耳を傾けながら仮眠した。歌も演奏も上手く、リズムが良いので子守唄のようにいつの間にか眠っていた。

起きたら、みんないつの間にかいなくなっていた。




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5時前に駅に向かい、みどりの窓口で新幹線の切符を購入。
6時8分発の「やまびこ202号」の自由席に乗り込む。

出発まで時間があったので、駅の売店で飲み物を買って一服。
列車内で旅の手記を書いていると、アッという間に小山に到着した。
その後は宇都宮線から久喜で私鉄に乗り換えて最寄り駅へ。

帰りは前回と同じ行程なので自宅着は前回と同じく8時40分だった。
水筒やサングラス等を洗い、衣類を洗濯してアイスコーヒーを飲みながら苦しかった記憶や嬉しかった記憶に耽る。

これはチャレンジした者しか経験できない至高のひと時だろう。


今後の課題だが、走行中の眠気は危険すぎるので深夜走行は避けたい。また中盤以降は前回ほどではないが腰の痛みに悩まされたので、余裕があったら整体師に診てもらうなど肉体面を改善したい。

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2009年5月 4日 (月)

埼玉→仙台サイクリング(本編)

5月2日、朝5時起床。

あらかじめ用意しておいたバナナヨーグルトとコーンフレークを胃に流し込み、髭を剃って出発の支度。最近は便が朝に2回出たり、昼や夕方に分けて出ることが多かったので、今朝も心配していたが大丈夫だった。

■6:00、自宅出発。


■7:00(出発1時間後)、古河市「上大野交差点」。
■7:40(1時間40分後)、結城市「小田林跨線橋」。

疲れは無し。ただ予報と違って向い風でペースが上がらない。

ギアを1枚落として凌ぐが精神的にきつい。というか腹が立つ。


■8:00(2時間後)下野市「下坪山交差点」。

いつもは手前の「鉢形(北)交差点」に1時間40分ほどで着くので、そこのローソンで休憩するが、今日はボトルケージの飲料が半分以上残っていたため休憩を取らず先を急ぐ。



■9:07(3時間7分後)、宇都宮市「問屋町交差点」セブンイレブン。
結局、休憩を取ったのは自宅を出てから3時間以上経った9時過ぎ。
ガリガリ君とおにぎり2つをペロリと平らげ、20分ほどで出発。


■9:50(3時間50分後)、高根沢町「鬼怒川橋」。

しかしこの向い風はいつまで続きやがるんだか。
もう、かれこれ4時間近く向い風と格闘しているんですが。

そもそも今日の予報で栃木県内は追い風って言ってたろうに。気象庁のボンクラにドス黒い殺意を抱きながら先を進む。


■10:04(4時間4分後)。風は弱い横風に変化。
ペースは前回の郡山サイクリングより20分ほど速い。
向い風でこれだけ短縮できたということは軽量化が効いたか。


■12:00(6時間後)、那須塩原市「東小屋交差点」通過。
風は弱い横風から弱い追い風へ!

ペースは前回の郡山サイクリングより50分速い。ただ、今日はまだ1回しか休憩を取ってないのでこれ以上差が広がることはないかも。


■12:25(6時間25分後)、黒磯のマツキヨで一時戦線離脱(小休止)。

風は追い風。気温は26度。暑い。

止まると汗がサングラス越しにダーッと流れてくる。鬱陶しくてかなわん。

これまで騙し騙し走ってきたが、矢板~那須塩原辺りから腰が痛くてどうにもならなくなった。どうも腰痛というより腰の左右の筋が無理な力で痛めつけられている感覚で、痛み始めるとハンパなくきつい。

黒磯のショッピングモールのマツキヨで湿布薬VAAMを購入。湿布を貼ったらだいぶ具合が良くなった。

追い風のうちに距離を稼いでおきたい。


■12:40(6時間40分後)、那須町に突入。

気温は26度。

サングラス越しの汗が鬱陶しい。舌打ちの回数が多くなってきた。

さて、いよいよ最初の関門「那須の峠越え」。
ここは坂に対抗してグイグイと登るより、どうせ長丁場になるからと夜中に泣く赤ん坊でもあやすように気長に、かつ適当に気を抜きながら漕ぐといい感じに上れる。
なんせ断続的とはいえ福島県西郷村まで14km近くも坂道が続くのだから。

しかし上り坂や向い風になると腰の筋が痛み出すのはなぜだろう?使う筋肉が平地や下り坂とは違うのかな。


■13:28(7時間28分後)、福島県突入。


■14:00(8時間後)、白河市「薄葉交差点」セブンイレブン。
気温は26度。風は追い風♪



フタバ超デカチョコバーうますぎ。しかも安い。

どうも矢板辺りから喉に排ガスのダメージが蓄積されていたようで、深く口呼吸すると喉に痛みが走る。とはいえ上り坂や向い風では鼻呼吸をする余裕がないので、そんなシーンでは腰の痛みとのダブルパンチで泣きたくなる。
だが腰をかばおうとダンシングすると掌が痺れ始める。

常に体のどこかに痛みを抱えながら走っている。


■15:36(9時間36分後)郡山市日和田ショッピングモール前。
超追い風♪気温は26度。暑い。



今回は郡山市内を通らずあさか野バイパスを走ったが、正直こちらも微妙。
スピードは出せるし車道外側線のマージンも広いので、走るには申し分ないが、ときどき左車線だけ強制的に分離され、そこで長時間の信号待ちが発生する。これがかなりのタイムロスとなる。

バイパス走行中、吐いて間もないと思われるガムを前輪で踏んづけてしまった。
ぶつけどころの無い殺意を抑えながら、拾った鉄くずでガムを取り除く。
せっかく追い風を気持ちよく走っていたのに、どこかの馬鹿のせいで無駄な時間を食ってしまった。


■16:17(10時間17分後)、本宮市突入。
弱い追い風~弱い横風。気温は26度。早く涼しくなってくれ。


デイリーヤマザキで小休止。無性に揚げ物が食べたくなってきたのでコロッケとハムカツを購入。ハムカツがめちゃくちゃ美味かった。

飲み物を飲むと排ガスでやられた喉がキーンと痛む。
腰の痛みもときどきぶり返す。柔らかい椅子やソファーで休めればいいのだが、コンビニではコンクリを椅子代わりにするしかない。かといってファミレスやマックはタイムロスが大きすぎて入る気になれない。


■17:30(11時間30分後)、仙台まで残り100kmを切る。

ここまで来ればあと少しと思いたいが、これから先は山場が二つ控えている。
二本松~福島の断続的な坂道と国見~白石の峠越えだ。

腰の痛みはかなり酷くなっている。


■17:41(11時間41分後)福島市に突入。
気温は22度。


相変わらず腰と喉の痛みが酷い。
喉も単なる痛みから吐き気を伴ってきた。喉から胃の辺りがムカムカして気持ち悪いので降りて吐こうとしたが出ない。
さすがに喉に指を入れてまで吐く気にはならなかったのでそのまま走行を続ける。

体力的にはあまり疲労していない。朝からずっとアミノバイタルやグレープジュース等のクエン酸系飲料を摂っているのが効いているのかもしれない。


■18:30(12時間30分後)、福島市「仲間町」サンクス。
気温20度。 風は向い風だがこれは前日の予報通りなので、まあ仕方が無い。

腰の痛みが尋常じゃない。ダンシングしても痛みが取れなくなってきたし、湿布薬は小休止ごとに張り替えてるのに常にジンジンと痛む。
喉もキンキンと痛む。吐き気も多少ながら残っている。
もし目的を持って走っていなかったら、もうこれはただの拷問でしかない。

空が暗くなりはじめ前照灯が必要な明るさになった。福島市内の2車線道路は明るいためライトが無くても路面は見えるが、ドライバーからの被視認性が大事なので早々に点灯した。
福島市の2車線道路は白線外側のマージンが広くて走りやすかった。


■19:40(13時間40分後)、国見町。
弱い向い風~無風。気温18度。

夜空には半月。星はまばらにしか見えない。


位置的には国見の上り坂の途中かも。ようやく宮城県が見えてきた。


■19:53(13時間53分後)、宮城県に突入。
風はほぼ無風。気温は18度。
夜空にはさっきよりも多くの星が見えた。

きつい上り坂に腰と喉をヒイヒイゼイゼイ言わせ、死にそうな面持ちで悪態を付きながら峠を上ると、ついに県境の標識が見えた。



自転車で宮城県まで来た。

中学に進学したとき進学祝いにロードマンを買ってもらった。

その夏休み。母親の実家の宮城県亘理町に行ったとき、親戚のおじさんたちに『今度、ここまで自転車で来るよ』と私は豪語した。

親戚のおじさんは『よーし、おいちゃん待ってるからな、ちゃんと来いよ』と笑っていたが、内心はそんなこと無理に決まってると思っただろう。だが当時の私は本気でロードマンで宮城に行こうと考えていた。
初日は宇都宮でテント泊、翌日は郡山でテント泊、そして3日目に亘理町到着という計画だった。

時は流れて高1の夏。私のロードマンは盗難に遭ってしまった。毎日磨いていたお気に入りの愛車だっただけに、あまりのショックと失望から自転車熱は一気に冷めた。そして「自転車で宮城行き」は以来ときどき思い出したものの、当時の熱い思いは消え失せていた。


それを20年越しに成し遂げようとしている。
でも感動はなかった。
あるのは腰と喉の痛みと、早く終わりにしたいという切実な思いだけだった。


■20:20(14時間20分後)、白石越河セブンイレブン。
気温は15度。止まっているとかなり肌寒い。

道路沿いの人家もまばらになり、道路を通る車の数が少なくなってきた。
田舎道独特の、この孤独に包まれたような感覚が私は好きだ。


ここで「24耐(or370km走)」は諦めて、目標を「仙台駅到達」に改める。

完全に言い訳だが、もう腰の痛みに耐えられない。
ダンシングや停車時に一時的に痛みが消えても、走行しはじめると体をのけぞらせたくなるほど痛みが走る。

喉の痛みは夜間に入って自動車が減ったせいか若干マシになったが、腰は湿布をしても何をしても良くならない。
サドルを下げたら最初は痛みが緩和したものの、結局前と変わらない痛みに戻ってしまった。

自転車で仙台まで来れれば、もう良いかな、という気持ちになってきた。
たぶん24時間完走して古川辺りまで到達しても、帰還が面倒になるだけで感動の度合いは仙台と変わらないだろう。もっとも「岩手県に突入」なら感動のあまり号泣するかもしれないが、今の私の足ではそれは無理だ。


■23:17(17時間17分後)、仙台市に突入。
気温は11度。風は無風。

0時前に仙台駅に到着して証拠写真を撮影したかったのでスパートを掛ける。

名取市のボーリング場のある交差点で「国道4号」と「4号バイパス」に分岐。
仙台駅前を通過する国道4号側に入る。国道4号は歩道は狭く凸凹、車道は外側線マージン激狭の糞道路だが、深夜は人も車も少なく快適に走れた。
日中は自転車乗りにとって最悪の道路だろう。


■23:47(17時間47分後)、仙台駅前到着。


23時47分、目的地に到着。
充実感よりホッとした気持ちになった。

尻が股ズレでヒリヒリしていたので、この後は朝まで自転車には乗らず、ずっと押し漕ぎで市内を歩いた。



ネットカフェでシャワーを浴びて朝まで時間をつぶそうとしたが、身分証明書を何も持っていなかったので利用できなかった。

仕方なく電話帳で健康ランドを探すものの、これまた営業時間が不明で、場所も遠いところばかりなので、開き直って朝までブラブラすることにした。



クリスロードの一角にある「F-1R」というゲーセンで記念撮影。
もとは「F-1」というゲーセンで、「F-1R」としてリニューアルオープンするまでは一時閉店していた。
かつて私も友人と一緒に、このF-1や同じ道沿いにあった「ドリーム」というゲーセンに遊びにいったことがある。思い出の場所だ。

この後はクリスロードを歩いたり、駅前を離れて散歩したり、バス停のベンチで仮眠したりして、4時30分過ぎに仙台駅に戻った。

4時40分頃から駅のロータリーで自転車を輪行袋に詰めて、JRの駅構内でみどりの窓口のオープン(5時半)を待つ。



新幹線の特急券と乗車券を買って6時8分始発の東京行きを待つ。

新幹線の輪行は、車内に入って3列シートの最後部を確保するまでが緊張する。
今回持参した輪行袋(コクーン)に収まった自転車は横幅がかなり長くなるため、新幹線だと車両最後部の3列シートの裏側の隙間にしか自転車を置けないからだ。

無事に3列シートの最後部を確保し、ようやく心からくつろぐことができた。



小山に着くまで今回の旅の手記(備忘録)や所要金額などをメモし、軽く朝食を済ませて睡眠……のはずが、目を閉じると国見~白石の激坂でもがき苦しんでいたときのビジョンが浮かんだりして、結局寝つけなかった。

小山からは東北線で久喜まで。久喜から私鉄で最寄り駅まで。



8時40分帰宅。

この後はシャワーを浴びて一息付いてから愛車の掃除。
郡山バイパスでどこぞの糞餓鬼が吐き捨てたガムと、どこぞのバカ犬が捻り出した糞がタイヤに微かに残っていたので、タイヤ周りを念入りに清掃した。


【感想】
総走行距離(310km)、総走行時間(17時間47分)ともに自己新記録をマークし、中学時代の願望も達成(それも一日で)できたので、とても満足しています。

那須の峠越え。ダラダラ続く上り坂が地味に体に堪える二本松~福島のアップダウン。最後に待ち受けていた国見の激坂。
24耐の断念と目的変更を余儀なくされた腰痛。腰痛には今回最も苦しめられた。
一時、吐き気を催すまで悪化した喉の痛み。最後の最後に苦しんだ股ズレ。

思いをよぎらせると辛い事ばかりが浮かんできますが、思い出は苦しんだ分だけより強く、より濃く、そしてより深くなると私は思っています。

今回の挑戦は何年経っても忘れない、何年経っても色褪せない、私の心の中だけの宝物になってくれると信じています。

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