鹿島臨海鉄道(大洗鹿島線)~鹿島神宮
5月5日はひたちなか海浜鉄道の乗り撮りで利用した「ときわ路パス」で鹿島臨海鉄道へ。突然行こうと決めたので撮りは無し。久しぶりに心を休めて乗りと記録撮影と鹿島神宮参拝を満喫した。
水戸駅。鹿島臨海鉄道と常磐線特急ホームへの改札口。
他社線と特急ホームをまとめて改札で区切るのは面白い考えだと思う。改札業務は大変だろうけど。
まずは路線と車両のおさらいから。
鹿島臨海鉄道は少々表記が紛らわしい。
「鹿島臨海鉄道」というのは運行形態の総称を指し、実際は旅客線の「鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線」と貨物線の「鹿島臨海鉄道 鹿島臨港線」に区分けして表記される。
今回は旅客線しか訪れていないので、以下旅客線についてのみ書く。
車両は6000系というディーゼル車で入るとバスのような乗物臭がする。
座席は転換クロス車(一部ロングシート)。窓も開くので車窓を眺めたり旅情に浸るのにふさわしい。
冷房は扇風機と冷房の併用型。
窓は開閉可。この日の日中は気温が高く冷房は効いていなかったが、通路を挟んだ向こう側の人が窓を開けたら涼しい風が入ってきて車内が一気に快適になった。
ふだん都市部の列車ばかりに乗っていたこともあって窓を開けられない(開けてはいけない)感覚が刷り込まれていたので、窓を開けたいと思いつつためらってしまい向こう側の人が開けるまで暑さを我慢してしまったが、この路線なら冬とか雨でも降らない限り堂々と窓を開けられそうだ。
運賃表。
率直にいうと高い。大洗鹿島線は6年前に苫小牧行きのフェリーに乗ったときに一度利用したが、そのときもちょっと高いと思った。
今回利用した「ときわ路パス(茨城県内鉄道1日乗り放題)」は2,000円。大洗鹿島線の始発駅-終着駅の往復運賃でそれを超えてしまうので割高感は否めない。
ただし私の場合、水戸までのJR運賃が片道1,620円も掛かるのと、超退屈路線の水戸線に耐えなければならないことが足を遠ざける一番の要因になっているので、仮に私が水戸に住んでいたら撮影や観光目当てにそれなりに大洗鹿島線を利用していると思う。
休日はおおむね2両編成でワンマン運行されている様子。
ワンマンでは一番前の車両の運転手よりのドアしか開かないので、水戸駅で降りたときはドア前が混雑して降りるのに結構時間が掛かった。
以上、大洗鹿島線について私見を交えてざっと紹介。
以下は旅行記。
大洗駅。
上の写真が今回のもの。下は6年前来たときに撮ったもの。
下の写真には井川選手を応援するのぼりが掲げられており、後ろだけ見えている路線バスは現行のバスとは違う車種に見える。
こうして新旧見比べると、あらためて記録撮影の重要性に気付かされる。
大洗駅構内。
踏切の模型が置かれた建物はインフォメーションコーナー。貴重な鉄道資料や大洗鹿島線のキャラクターに関連するものなどがおかれている。
大洗鹿島線はテレビアニメの舞台になっているようで、至るところにアニメキャラのイラストやグッズを見かけた。またアニメのファンと思われる人たちをちらほら見かけた。
大洗駅で買ったたこ飯。850円でけっこうボリュームがある。
転換クロスシートなので車窓を眺めながらのんびり食べられる。
「弁当が気兼ねなく食べられるから弁当を買いたくなる」
弁当を食べられる環境と弁当を食べたくなる心理。これらは相互補完の関係にあるのだとこのとき思った。いくらローカル線であろうとロングシートや混みあったボックスシートでは弁当は食べづらいし、そもそも買う気にならない。
大洗鹿島線は昔ながらの旅の楽しみ方ができる貴重な路線だと思う。
ちょっと余談。
6年前に大洗フェリーターミナルを出港したときの写真。
このときは大洗駅から重い荷物を担いでフェリーターミナルまで歩いた。駅から案外距離があってきつかったのを覚えている。後々、水戸駅からフェリーターミナル直行バスが発着していると聞いて脱力したのも今となっては良い思い出。
大洗は自宅から片道110km。
14時間掛けて自転車で往復したこともあった。磯前神社前の坂の上から大海原が見えたときの興奮は今でも忘れない。
大洗には何気なく様々な思い出がある。
完全乗車と鹿島神宮参拝を兼ねて終点の鹿島神宮駅へ。
これも誤解しやすいが鹿島神宮駅はJR鹿島線の駅なので鹿島臨海鉄道の駅ではない。大洗鹿島線がJR鹿島線の一部に乗り入れている形で運行されている。
鹿島神宮駅から鹿島神宮まではちょっとした坂を上って徒歩10分ほど。
鹿島神宮。
祝日のお昼近くということもあって多くの人が参拝に来ていた。
神宮内は見事な森林に囲まれ、近頃は森林浴だけでなくパワースポットとして注目を集めているらしい。
日頃の感謝の念を込めて本殿と奥宮にお参りした。
大洗鹿島線は記事に書いたように、ときわ路パスがなければそもそも行かなかったと思う。それについては前回のひたちなか海浜鉄道も同様だが、一つ違うのは大洗鹿島線は「転換クロス」と「窓が開く」という旅情を得るに必要な要素を持っていること。
これだけなのに旅の印象はずいぶん変わるものだと思った。
今回撮り鉄はしなかったが車窓からそれとなくロケはしたので、次回訪れるときは撮影を楽しみながらもう一度旅情に浸ってみたいと思う。