カテゴリー「登山(レビュー)」の記事

2020年2月29日 (土)

アルパイントリガーフィンガーミトン

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手の甲側。手の甲で眼鏡などをぬぐえるようになっている。



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手のひら側は滑りにくいヤギ皮で補強されている。



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ウール製のインナーは取り外し可能で交換用品も販売されている。



■メーカー/ 製品名 : montbell(モンベル)/ アルパイントリガーフィンガーミトン
■レビュー執筆(加筆)までの使用期間 : 約3年

【購入のきっかけ】
これまでホームセンターの手袋やモンベルのウインドストッパーを使っていたが、真冬の自転車通勤では小指が冷えて役に立たなかった。また掌の素材が劣化しやすいのも難点だった。

【比較した製品】
montbell(モンベル)/ アルパイングローブフィット
5本指型かミトン型か悩んだが、ミトン型のほうが小指が温かいと知ってミトン型にした。


★長所・短所
〇性能が良すぎて通常用途ではオーバースペック

真冬の自転車通勤と真冬の1000m級の山登りで使用。氷点下の自転車通勤では若干手の中が汗ばみむ感じ。気温-2度での山登りでは手の中か汗だくで着けていられないほど暑くなった。
真冬に普通の手袋を着けて自転車に乗ると真っ先に指(特に小指)が冷たくなるが、本製品を着けた場合、顔や全身が冷たいのに手の中だけが温かいので不思議な感覚になる。

〇手のひらが滑りにくく丈夫 
3年間冬の自転車通勤で使い続けたがヤギ皮の補強部分は劣化が無く、むしろ柔らかさが増している。皮なのにメンテナンス不要なのもうれしい。

〇インナーが臭くなりにくい
ウールなのでにおいが付きにくい。またインナーは取り外して洗うことができる。

×高い
税込15,180円。ワークマンの680円手袋が20双買えてしまう。

★その他注意点(写真付き)
乾燥機厳禁。うっかり50℃の弱乾燥モードで乾かしたら防水素材が熱で変形し剥離した。

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手首部分を裏返したところ。
左手の黒い防水フィルムが剥がれている。こうなると防水できないばかりかフィルムが手やインナーに引っかかってしまう。



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防水フィルムを完全にはがしたところ。
薄く伸び縮みするゴムのような素材でなんとも頼りない。
製品の注意書きに「防水膜を傷つけないためアウターだけの使用はしないように」と書かれている。繊細な取り扱いが必要なようだ。

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2014年2月11日 (火)

製品レビュー:montbell(モンベル) メリノウール アルパインソックス

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■メーカー/ 製品名 : montbell(モンベル)/ メリノウール アルパインソックス
■レビュー執筆(加筆)までの使用期間 : 約1ヶ月(使用日数16日)

【購入のきっかけ】
従来から「靴下=消耗品→金を掛けたくない」という考えが強かったので、100均や3足1,000円くらいの靴下しか履かなかったのだが、毎年しもやけに悩まされるのと、足が臭くなって仕事後に医者などに寄って人前で靴を脱ぐのに気後れを感じていたため、「温かくて臭わない」という同社のウィックロン トレッキングソックスを購入したところ、これまでの靴下とは別次元の温かさや防臭効果を確認できたので、ならばとワンランク上の本製品を購入するに至った。

【比較した製品】
montbell(モンベル)/ ウィックロン トレッキングソックス
本製品の10日前に購入。これでも十分温かいとはいえ、冬の朝晩や安全靴など汗抜けの悪い靴を長時間履いたときには力不足を感じた。


★長所・短所
○理屈抜きで温かい

モンベルのサイトにはメリノウールの特性が書かれているが、履けばすぐに分かる実感としてとても温かい。冬の朝のフローリングの床を靴下だけで歩ける温かさだ。
汗抜けに関してはその性能の高さを謳われているウィックロンと同じく優れており、安全靴などのつま先が冷えやすい靴を長時間履いても冷えにくい…いや、「冷えない」と断言できるかもしれない。なぜならこの靴下を履いているとき一度も冷たいと思ったことがないからだ。


○蒸れない・臭くなりにくい
これもウィックロン同様に優れている。この靴下を履いてから自分の足が臭いと思ったことはまだ一度も無い。そればかりか今まで恐ろしく臭いと思っていた私の足は、実は汗抜けが悪く防臭面が考慮されていない安物靴下が原因だったと確信することができた。そのことも本製品の功績といえるだろう。


○丈夫、チクチクしない
レビューの最後に新品と1ヶ月(正味16日間)使用後の比較写真を載せたので購入を検討している人はぜひ見て欲しい。
メリノウールは縮みにくいとはいえウールなので多少は縮むし、つま先やかかとなど靴との摩擦が大きい箇所には毛玉がでてくる。しかしその“程度”については当初予想していたより遥かに小さかった。
なおメリノウールの効能に謳われているようにチクチクは普通のウールに比べて相当抑えられているらしい。なぜ“らしい”と曖昧に書いたかというと、本製品を履いてから一度もチクチクを感じたことがないから。感じたことがないので比較できないのだ。


△高い。
定価2,250円。靴下の値段とは思えない。普通の人に言ったらまず「何足でそ
の値段?」と聞いてくると思う。
靴下に何千円も出すならその分100円の靴下を買ったほうが得じゃないかとこれまで思っていたが、100均の靴下を何足買おうとしもやけは防げないし、重ね履きしても汗抜けは悪いままなのでやはり役に立たない。しかも安い靴下は足が猛烈に臭くなる。脱いだ途端、生温かい不快な臭気が顔の辺りまで立ち上り、周囲に悪臭がばれる。よって公共の場では靴を脱げない。靴を脱げないということは(私の癖である)足の指の骨を鳴らしたりすることができない。そういった精神的苦痛も重要なポイントだ。

…結局、攻撃力1のザコが何匹束になろうとボスには勝てないのと同じで、安物をいくら買っても“本物”には及ばないことを最近しきりに実感している。冒頭に高いと書いたが、本製品に2,250円の価値は間違いなくある。よって×ではなく△にした。



★その他注意点
試着は無理だと思う。なお参考までに書くと靴のサイズ26cmの私は靴下Mサイズ(24~26cm)でジャストサイズだった。




★1ヵ月(正味16日)使用後の状態

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縮み具合(写真は全てクリックで拡大します)。
灰色(ヘザーチャコール)が新品で深緑(カーキグリーン)が16日間使用。サイズはともにMサイズ。

履くたびに洗濯しているので洗濯回数は16回。
天日干しで乾いたときは乾燥機の「殺菌モード(75℃)」で仕上げ、雨の日などは通常の乾燥モード(60℃)で仕上げている。いずれの場合も常に乾燥機を使用している。

(※)レビュー執筆後、メリノウールの洗濯方法と乾燥方法を間違えていたことを知り、新品(ヘザーチャコール)を正しい方法で洗濯・乾燥し、15日間使用したところ、16日間使用のカーキグリーンとほぼ同じ縮み具合・劣化具合だった。
現在は念のため洗剤を中性洗剤に置き換え、柔軟剤の使用を控えているが、洗濯と乾燥についてはさほどこだわらなくても良さそうだ。





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足裏全体の劣化度。

靴は仕事日は通勤用トレッキングシューズと安全靴、山行日は軽登山靴(モンベル ツオロミーブーツワイド)を使用。※ツオロミーブーツワイドのレビューはこちら

16日間程度ではほとんど劣化していないことが分かる。





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履き口の劣化度。

靴下のずり下がりも気になるポイント。履き口についても劣化は殆ど見られず、ずり下がりは発生していない。

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2013年8月15日 (木)

製品レビュー:マジックマウンテン ツーウェイグリップ(4段式) MP501

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■メーカー/ 製品名 : MAGICMOUNTAIN(マジックマウンテン)/ ツーウェイグリップ4段式 MP501 
■レビュー執筆(加筆)までの使用期間 : 約5ヶ月(8
山行)
■製品内容 : 伸縮長51-120cm、ポール径(上から)18-16-14-12mm 重さ290g(1本)

※写真では2本表示されていますが1本単位の販売です。

【購入のきっかけ】
下山時に膝が痛むようになり膝サポーターや塗り薬等で対処していたが、痛みの軽減にはなっても予防にはならないと思ったのでトレッキングポールを試すことにした。
この製品にしたのは51cmまで縮められること。基本的に公共交通機関を利用するのでなるべくコンパクトな製品が欲しかった。

【比較した製品】
レキ マイクロスティック 3段折りたたみ
: どこも売り切れだった

★長所・短所
○コンパクト

一般的なポールが縮長65~68cm程度なのに比べ51cmまで縮むのでザックの横に括り付けた状態で列車の網棚に置ける。登山に限らず
公共交通機関を利用する場合はコンパクトさを追求しなければならないケースが多々あるので、これは長所というより、もはや必須といえる。

○下りは膝への負担が和らぎ、上りも若干楽できる
本製品に限らないがやはり恩恵は大きい。上りでは太ももを持ち上げる力を補助するので筋肉の疲れが少なくなるし、下りでは膝への負担を軽減できる。また足場の悪い所ではポールを支えにすることで体がふらつきにくくなる。

×長さ調節が面倒
足の伸張は関節一つずつ行い(カメラ用三脚のように一気に伸縮できない)、その際足を垂直に正確に伸縮しないと引っ掛かりやすい。そのため長さ調節が面倒になって、ついそのまんまにしがちになる。

×I型の利用には不適
ツーウェイの名の通りT型とI型の兼用を謳っているが、グリップが細いため握るのに力がいり、手が下にすっぽ抜けやすくなるのでI型としての利用にはあまり適していない。メーカーのカタログに書かれているようにあくまでも補助として割り切るべきだろう。

△グリップがステッキ状

良し悪しあり。「良し」は急な階段でステッキに手を乗せて支えにして下りることで膝へのダメージをほぼゼロにできる点。「悪し」はステッキ部がかさばるためザックの中には収納しづらい点。


★その他注意点
各関節の締め具合にコツがいる。締めが甘いと地面を突いたときに縮んでしまうし、締めすぎると関節のネジがすぐバカになりそうで怖い。地面を突いても縮まないギリギリの力加減を使いながら覚えておくといいだろう。

8山行目にバスケットを紛失した。これが無いとストックが地面に思いっきりめり込むため大変使いづらくなる。現在、バスケットの無いストックは先ゴムを付けたままにしている。




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左:脚をすべて伸ばした状態 120cm
右:縮長 51cm

足を伸ばすときはカメラ用三脚と同じように太い足から伸ばし、細い足は微調節用に使うのが理想的だが、一番下の足は調節しづらいので実際使っているとそんなこといっていられなくなるかもしれない。

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2013年8月13日 (火)

製品レビュー:montbell(モンベル) ツオロミーブーツワイド

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■メーカー/ 製品名 : montbell(モンベル)/  ツオロミーブーツワイド(26cm)
■レビュー執筆(加筆)までの使用期間 : 約8ヶ月(17山行)

 

(※)最後に「18山行後の状態」と、19山行後に依頼した「ソール張替え後の状態」を載せました。併せてご覧ください。

【購入のきっかけ】
ゴアテックスのワイド対応の軽登山靴を探したところ本製品に落ち着いた。ワイド対応にした理由は足囲(ワイズ≒足幅)は27cmもあるため4E以外に選択肢が無いから。
「4E」とは靴幅の広さを表す記号で、幅の狭いほうからA、B、C、D、
Eと続き、以降2E、3E、4E…と続く。4Eは市販されている靴幅ではほぼ最大で、これより広いサイズは殆どが特注になる。

【比較した製品】
他の4E対応品ほぼすべてと比較。
そのなかから本製品を選んだのは、モンベルなら足幅が広い日本人の足を理解したうえで製品作りをしてくれるだろうという勝手な期待から。

ちなみに海外メーカーの何が不満かというと、大手なのにサイトが日本語に対応してなかったりユーザーが自分で言語を選択しないと日本語で表示されないところなど。人気にあぐらを掻いて日本人などどうでもいいと思ってるのかと腹が立つ。だいたい海外製品はアフターに不安がある。その点モンベルのアフターは完璧だ。


★長所・短所
○作りがしっかりしている。

つま先、かかとなど痛みや磨耗が激しい箇所は補強されており、
ソールも8山行程度ではほとんど磨り減ってない(※)。つま先は安全靴のように芯か入っているので脱いだ足を乗せておくのに重宝する。また雨の山行に使用したところ、靴の外は泥と水にまみれたのに中には水一滴染みこまなかった。
(※)15山行目辺りから磨り減ってきた。

△,値段が若干高い。
16,900円。初めて軽登山靴の購入を考えている人には高く感じるかもしれない。しかもモンベルなので原則的に値引きはない。
それでも△にしたのは値段にふさわしい作りだから。
一つ極端な例を出すと、「5,000円で耐久性5山行の靴」と「2万円で耐久性20山行の靴」のコストパフォーマンスは同じにならない。後者は靴に絡むアクシデントに見舞われる確率が低くなるからだ。つまりアクシデントからの回避率が上がる分コストパフォーマンスも上がる
。そう考えればこの値段にも納得いくのではないだろうか。

×デザインと色が親父臭い。

2種類ある色(ブラウン・チャコール)とも山男っぽい色遣いでデザインが無骨。おしゃれとは程遠いので、いまの若い人たちは見向きもしないかもしれない。ちなみに私はもうおっさんなので全く気にならない。


★その他注意点
モンベルは実店舗に行けばほとんどの製品が試着できるし価格もネットと一緒なので、できるだけ実店舗で試し履きすることをお薦めしたい。

靴擦れは個人差があるので評価対象外とした。




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外観。
ハイカットなので泥や小さな枝が靴の中に入るのを防ぎ、踏んだ枝などが跳ね返って足に当たったときの衝撃を和らげてくれる。また側面も厚いので
くるぶしをしっかり守ってくれる。

脱ぎ履きする際は靴紐を上から3つ目のフックまで外す必要がある。






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インソールは薄っぺらい。
薄っぺらいのでインソールを靴の中に入れる際、ひん曲がってうまく入らないことがある。その場合はソールを縦に軽く折って少しずつ入れるとうまくいく。




★購入8ヵ月後・18山行後の状態

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外観。
大きな変化は見られない。つま先のロゴは磨り減って消滅している。




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つま先の革に一箇所裂けキズ。
一番酷い裂けキズがこれなので使用には何の支障もない。




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サイド。
ミッドソール(革とソールの間のグレーの部分)が若干痛んでいるが、多少目に付く程度でこれも使用には支障ない。





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ソールの状態。新品と18山行後の物を比較した。
写真を拡大するとソールの磨り減った箇所と減り具合がわかると思う(写真はクリックすると拡大します)。
私の場合、つま先・かかととも外側が磨り減る。

なお登る山は500~1700m程度で、公共交通機関しか使わないためアプローチは舗装路の林道をよく歩く。岩場は滅多に歩かないので、察するにソールは舗装路の歩行で磨耗したと思われる。



★19山行後に依頼したソール張替え後の状態

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当然ながらソールだけ新品になって戻ってきた。
ソールと靴の間のグレーの部分が黒になっている。





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つま先とかかとの拡大写真。
張替え後の写真を公開しているブログには「張替えが雑で失望した」とあり警戒していたが、この通り驚くほど綺麗に張れている。下だけ見ると新品と見分けが付かない。

代金は同時に頼んだズボンの裾上げ2着と合わせて8,206円だった。以前見積もりを取ったときはソールの張替えだけで8,000円掛かるといわれたので、たぶんズボンはサービスしてくれたのだろう。

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