カテゴリー「秘境駅」の記事

2016年6月 7日 (火)

野岩鉄道-鉄旅

連休二日目は午後から天気が崩れるとのことで、南会津の山登りを止めて野岩鉄道を巡った。



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5時半の始発から3時間掛けて湯西川温泉駅に到着。

湯西川は温泉の名地だが今日は撮り鉄で来た。撮影地は駅を右に行った先の橋。駅から見えるのですぐに分かる。




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こんなふうにやや俯瞰気味に撮れる。

詳しくない人のために書くと、これは東武6050系で最長浅草から会津田島まで190kmを走行する列車である。

座席はボックスシートで長旅に向き、特急より本数が多く時間的にも大差はないので利便性が高い。そのため土日始発の浅草発会津田島行きは浅草駅から座席の争奪戦が繰り広げられる。




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この日は終始薄曇で、少しだけ晴れ間が見えた。




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撮り鉄に飽きたので野岩鉄道終点の会津高原尾瀬口駅へ。

野岩鉄道フリーきっぷ(2,070円)を購入した。野岩鉄道(新藤原-会津高原尾瀬口駅)を一日何回でも乗降できる。

この駅には駅に併設された恋路茶屋(食事処)がある。
南会津の山登りに来たときはほぼ毎回立ち寄っている。




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恋路茶屋はご飯物や麺類などを幅広く扱い、土産店も一緒に経営しているのでハイカーなどによく利用されている。

ただしグルメな人からの評価は高くない。
たとえば以前のソースカツ丼はソースの酸味がきつく、味付けもしつこくて完食がきつかった。

だが久しぶりに食べたソースカツ丼はソースの酸味が抑えられ、甘くてまろやかだった。肉は若干固いが普通においしいし、味噌汁の味付けもマイルドになった。

おそらく客の声を反映したのだろう。作っている人は同じなのに別人が作ったようなおいしさに変わっていた。




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こちらは持ち帰り用。帰りの列車内で食べた。
作ってから3時間後に食べたが、冷えてる点以外店で食べるものと遜色なく、紅生姜ともよくマッチしていた。

値段は店、持ち帰りともに900円。
注文時に会計し、受け取りと食器の戻しはセルフで行う。野岩鉄道のフリー切符を掲示すれば100円引きで食べられる。




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恋路茶屋の変わりように喜び、秘境駅の男鹿高原駅へ。

会津高原尾瀬口駅の隣駅で列車だと5.7kmなのに、徒歩だと大きく迂回するので13kmもある。




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国道側から駅の方向を撮影したもの。

まさしく無人の世界。だが国道121号からのアクセスが容易で列車でも浅草から一本で来れるので休日はそれなりに人が来る。根っから秘境を楽しみたい人はがっかりするかもしれない。




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バックショットを狙ったらまさかの下車客に遭遇した(右端)。

夏のスーツ姿でたくさん荷物を持っていたので何しにきたんだろうと思っていたら、2時間後くらいに息を切らして現れ、浅草行きの列車に乗っていった。ハイキングではないだろうし謎が多い人物だった。




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男鹿高原も退屈したので、予定より1時間早く鬼怒川温泉駅へ。

駅で1時間ほど暇を潰して「きぬ138号」に乗った。
138号(最終の一本前)と最終便の140号は平日土日ともに「夜割」で特急券が安い。しかも138号はビュッフェの営業と車内販売があるのでお得感が高い。




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久しぶりの個室独り占め。

…だったが汚れが目立った。肘掛の金メッキは水垢まみれで肘掛の裏も埃まみれ。トイレの便器も汚かった。おそらく誰も掃除のチェックをしてないのだろう。

ホテルなどではこういった手抜きを客は敏感に察知し、徐々に客足の衰えや信用の失墜となって表れる。信用を失う前に善処して欲しいと切に願う。




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恋路茶屋で買ったトマトジュース。1本130円。

めちゃくちゃ美味い。馬鹿舌の私が飲んだ瞬間「うまい!」と言って膝を叩いたほど美味い。
カゴメのストレート果汁100%のトマトジュースも美味いが、これはそれを軽く凌駕している。完熟トマトなので甘みがあり、それでいて飲み応えがすっきりしている。




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スペーシアの車内販売のホットコーヒー(330円)。

まずい。淹れてから時間が経ってるのか酸味が口に残る。馬鹿舌の私が自信を持って下の中ランクと認定できるまずさだ。

野球場のコーラや観光地のソフトクリームみたく、この手の飲み物は気分で買うものだから値段をとやかくいうのは野暮とはいえ、それにしても330円でこの味はいただけない。


※関連サイト
野岩鉄道
東武鉄道
会津高原憩いの家(恋路茶屋)

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2013年10月13日 (日)

会津 七ヶ岳(羽塩登山口~縦走路)

10月3連休の初日、会津地方の予報は弱雨。

七ヶ岳は登山を再開してから気になっていた山だった。
東武沿線から会津鉄道「七ヶ岳登山口駅」まで一気に行ける手軽さに加え、山頂からの景色が雄大で、300名山を謳われながら登山客は比較的少ないことが私の心を掴んだ。

弱雨の予報に不安を感じつつ、これも良い経験になるとあえて行くことにした。無事に下山したときのご褒美を用意して。

※2014年5月1日に再訪しました(たかつえ登山口~縦走路)
バスの情報、残雪の情報などを知りたい方はご覧ください





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新藤原駅にて。

東武線から会津方面に行くときは東武フリーパスが便利だが、この日は日光方面に行く乗客の混み具合がわからず、場合によっては引き返すことも考えていたのでパスは買わなかった。





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日光方面へ向かう観光客や登山客はまばらで、栃木以降は一般客があらかた降りて快適だった。下今市を過ぎると乗客はさらに減り、鬼怒川温泉から先はガラ空きだった。

9時01分、七ヶ岳登山口駅に到着。降りたのは私一人。
のどかな景観を楽しみ、軽くストレッチをして出発。





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登山口までは6km弱の林道をひたすら歩く。

この日、出会った登山客は四組。全員マイカーだった。
私は車を持ってないので登山のときは車が欲しくなるが、車が欲しくなるのは登山のときだけだし、維持費の高さや車中泊に向いてない性格を考えると、やはり二の足を踏んでしまう。





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ルート図。
登山道は要所に指導標が立てられ、特に迷いそうな所はない。

行きは羽塩登山口から沢を上り(ルート図オレンジ線)、七ヶ岳山頂から縦走し(緑線)、あとは林道を会津山村道場駅まで下った。





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羽塩登山口から30分ほど沢沿いを歩くと沢の両脇が狭まり遡行するようになる。尾根ではなく沢を登るのがこの登山道の特徴だ。

遡行といっても沢の流れは穏やかで大げさなものではない。
ただ傾斜が徐々にきつくなり、岩に付いたコケや落ち葉で大変滑りやすくなる。場所によっては20mほど滑り落ちそうな所もある。

このコースは転倒が付き物らしいが、私も気を付けていたのに1回横滑りして小指を擦りむいてしまった。





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緊張の連続の遡行が終わると今度は歩きにくい急な登りになる。

傾斜がきつく、足を大きく上げて登る所が多いのでバテやすい。遡行よりマシだろうと自分に言い聞かせ、息を切らしながら登る。





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顔のような不気味な樹のコブに着くと頂上まであと30分あまり。

下りてきた女性二人組も話していたが、この30分がかなりきつい。
登りは歩幅を小さく一定に取れば疲れにくいというが、傾斜がきつく足場が悪いとそんなことをいっていられない。





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最後の登り。

ザレていて後ろは急斜面なのでかなり怖い。
いつもなら最後の急登を苦し紛れの奇声を上げながら頂上に転げ込むのだが、今回は肝が縮み上がって疲れや奇声どころではなかった。





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頂上直下にて。

最近、頂上での撮影にマンネリを感じてきたのでひねりを加えてみた。この写真は10秒タイマーにしてシャッターボタンを押した直後に↑の位置まで下るので落ちそうで怖かった。





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眺めは本当にすばらしい。

七ヶ岳に登った人の感想に「まるで高山にいるようだった」というものがあったが、頂上からの眺めはまさに高山からの眺めそのものだった。

頂上は風が強いこともあって、じっとしていると肌寒い。
天気は頂上までは小雨ながら持ちこたえてくれたが、頂上での記念撮影を終えた頃から周りがガスりはじめ、みるみるうちに上空が雲に覆われ、本格的に降り始めた。

山頂に着くまで、ずっと悩んでいた。
「来た道を引き返すか」、それとも「せっかくだから七峰を縦走するか」





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私の後に山頂に来た夫婦を含め、他の人たちはマイカーで来ていることもあって、みな同じ道を引き返していた。

だが登りでさえ滑りまくって危険だったのに、雨まで降っていてそこを下るというのは、いくら楽に戻れるからといっても怖い。いっぽう縦走は行程が長く何度も登り返すので体力を使いそうだが、危険はなさそうだ。

結局、膝の痛み止めや水分・食料に余裕があり、時間にも十分余裕があったのでピストンではなく縦走することにした。





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12時45分、縦走開始。
あいにくの天気だが稜線は見通せるので縦走の雰囲気は味わえる。

雨は一向に止まないものの、気温と雨具の防寒性がうまく釣り合っていて蒸れや寒さは感じない。
それどころか霧の上に浮かぶ天空の道を独り占めしていることに喜びすら感じる。地図や地形をにらみながら気張り続ける登山もいいが、こういった山歩きも格別だなとこのとき思った。混んでたら嫌だけど。





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下岳(1,510mピーク)。

ここよりはるか手前で三角点のあるピークを通過していたので、てっきりそれが下岳だと思っていたのに、ここが下岳だった。脱力。

非常に面白くないので、三角点はきちんと設置されているか元測量屋の厳しい目でくまなくチェックすると、杭は岩にビクともせず設置されており、落ち度を探すどころか、むしろ脱帽してしまった。





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1,326mピークの分岐点。

しつこいほどアップダウンが続いて、いい加減うんざりしていたが、地図上では登りはここが最後なのでひとまず安心する。





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地形図で嫌な予感はしていたが、最後の下りが危なかった。

急斜面なうえ雨で滑りやすく、コケの付いた岩が落ち葉に隠れていて、うかつに足を下ろせない。足を下ろす前にストックを突いて地面が土だと確認してから足を下ろした。もしかすると同コースを登るより時間が掛かったかもしれない。





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縦走開始から2時間15分。古内登山口(広域基幹林道との出合)に着く。

後ろを振り返り、こんな所から出てきたのかと驚く。もし指導標がなかったらこんな所に道があるなんておそらく気が付かないと思う。





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地図上の赤い○印の地点。

地形図によるとさきほどの出合から林道を東に50~100mほど上ると、右手に会津山村道場駅への近道があるようだが、どう見てもただのヤブ林でそんな道は見当たらなかった。

藪に入って周囲を調べると「下○道」と書かれた汚い看板を発見。
看板の内容からどうも藪の中に下山道が続いているらしいが、とてもそんなふうには見えないし、見るからにヤブ漕ぎが大変そうなので断念。遠回りになるが安全に帰れる林道を下った。





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藪を捜索しているとき、すごいものを見つけた。

親父世代にはご存知、コーラの1リットルビン。
これを酒屋に持っていくとビンの保証金として30円もらえた。

ざっとネットで調べたところ、製造年は特定できなかったが、形状やデザインからして初期の頃に作られたものと思われる。


この後は藪を出て素直に林道を下った。
不安のあまりコンパスで何度も進路を確認するほど異常に長い林道を下り、17時ちょうどに会津山村道場駅に到着。雨はかなり強く降っていた。
しかしそれでもモンベルのサンダーパスは蒸れなかったし、ツオロミーブーツは泥まみれでびしょぬれなのに靴の中には一滴も水が浸入しなかった。





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スペーシアの最終便まで時間があったので男鹿高原駅へ。
途中下車は前途無効だが、車内で東武最寄り駅までの補充券(2日間有効)を発行してもらったので、堂々と駅の外を探索する。

18時42分発の列車が来るまで駅ノートを読んだり、国道121号辺りまで散策しながら無人駅の情緒を味わった。





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以前来たときには無かったホウキがなぜか大量に置かれていた。あと駅ノートの2012年9月11日に某有名人の書き込みがあり、誰かのいたずらかと思って後で検索したら本当だったので驚いた。

せっかくなので掃除をした。といってもゴミは虫の死骸ばかりだが…
ちり取りとゴミ箱が無かったのでゴミはホームの下に払い落とした。





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これが最初に書いたとっておきのご褒美。
「スペーシアの個室に乗車」

予約していなかったので取れないと思ったらあっさり取れた。JRだとシーズン中はグリーン車やランクの高い寝台券がまっ先に売り切れるが、たまたまなのか、東武にはその法則が当てはまらないのか、正直嬉しい誤算だった。





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一度やってみたかった個室独り占め。なんて贅沢なんだろう…
欲をいえばホームか車内で弁当を買えればなお良かった。

しかし広い。横幅は大人3人分あり、足は目いっぱい伸ばして何とか対面の座席に足が届く広さ。

コーラは車内の自販機で買った。
170円のボッタクリ料金なので我慢しようと思ったが、個室を独り占めしておいてこんなところでケチるのもどうかと思い、気前よく行った。





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交通費は乗車券が約5,000円、追加投資の特急+個室券が計3,800円。

9,000円で会津まで往復し、往路か復路いずれかを超ゴージャスな旅に仕立て上げられるのだから、東武線を使っての登山や旅行もたまには良いかなと思った。




★登山記録

■2013年10月12日(土) 曇りのち雨 最高気温22℃ 最低気温18℃

■コースタイム
七ヶ岳登山口駅9:10→羽塩登山口10:30→七ヶ岳頂上12:24-45→下岳14:01→古内登山口15:01→会津山村道場駅17:01

■総歩行距離 約20.4km(マピヨンのキョリ測で測定)

■交通費 東武鉄道(新藤原までの往復乗車券)2,320円、野岩鉄道・会津鉄道乗車券(新藤原→七ヶ岳登山口1,300円、会津山村道場→新藤原1,340円)、スペーシア特急券夜割(鬼怒川温泉→春日部)800円、スペーシア個室3,000円
※特急券の夜割(割引)についてはこちら

■登山口から遭遇した人数 9人(4組)

■備考・注意点
水は羽塩登山口からの沢登り箇所ほぼ全域で補給可。縦走路から古内登山口までの間に水場はない。

・羽塩登山口からのコースを下りに取るのは危険だと思ったが、地元の人やマイカー組はみな下っていた。なかには赤ん坊をお腹に抱えた父親までおり、これにはさすがに驚いた。
・2013年10月12日(三連休初日)の午前10時半の羽塩登山口の駐車台数は4台で、出会った登山客は4組。聞いたところ登山客はほとんどがマイカーで、交通の便が良くないためほとんどがピストンするそうだ。
・特急スペーシア最終便に接続する会津鉄道の最終便は七ヶ岳登山口駅18時30分、会津山村道場駅18時26分の各上り列車(2013年3月ダイヤ)。
・1600mの山とは思えない雄大な景色が望める。縦走路では高山の雰囲気を味わえる。晴れた日なら楽しい山行になるだろう。

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2012年5月 4日 (金)

GW旅行その3 - 夜の秘境駅 -

その2からの続き。これが最後の記事です。
28日(土)の夕方、真岡からR6に出ていわきへ。


いわきの銭湯で汗を流し、一休みしてから磐越東線の江田駅へ。
江田駅は昨夏に18きっぷで訪れた。磐越東線で最も秘境色が強い駅なので、いつか再訪したいと思っていた。

それも早朝か夜。江田駅がいつもと違う顔を見せる時間帯に…





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深夜の江田駅。まるで異世界の入口のような雰囲気が漂っていた。

周りには民家が数件あるだけで、獣のうなり声がしているにもかかわらず、こんな雰囲気を期待していた私の心は嬉しさでいっぱいだった。






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駅待合所付近にて。おぼろ月は露出が難しい。

露出に苦しみながら深夜の無人駅を黙々と撮る中年の男…。
いつ警察を呼ばれてもおかしくない状況なのに、辺りは警察を呼ぶ人はおろか、交番すらないので、その心配は不要だった。






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左の茂みからずっと獣のうなり声がしているので臨戦体勢は崩せない。何か飛び出してきたら三脚で応戦する体勢を取りながら撮影する。

ちなみに下は昨夏18きっぷで来たときの江田駅。立ち位置や画角が異なりるがミラーの位置などで何となく構造は分かるはず。






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もし獣が襲ってきたら、顔にライトを当ててひるんだ隙に三脚を振り回す手筈だったので、長時間露光中に出てこられるとまずかったのだが、なんとか無事に撮影を終えることができた。

写真は江田駅のホームからの夜空。
星が小さいので拡大しないと見えないかも。






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…で、2日目(4/29:日曜)の夜。
喜多方で夜を明かし、湯野上温泉駅に寄って秘境駅の男鹿高原駅へ。

男鹿高原駅はそれなりに列車が来るし、駅構内はわりと綺麗で秘境らしさを感じなかったが、駅周辺はなかなかの秘境で、最初は駅入口が分からず、何度か行き過ぎてしまった。






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東武本線の駅名や運賃が入っていた路線図を見ると、なおさら身近な印象を受ける。ちなみに秘境駅だけあって駅ノートが備えられていた。

せっかくなのでノートに記念書き込みし、最終列車を見届けた。






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318列車(上り最終列車:普通「東武日光行き」) 男鹿高原(2012年4月29日)

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313列車(下り最終列車:普通「会津高原尾瀬口行き」) 男鹿高原(2012年4月29日)


「秘境駅で最終列車を見送る」

これこそが無人駅や秘境駅における極上の楽しみ方だと思う。
終電を見送り、少々の名残りを残しながら引き上げるのがまた良い。

もっとキチンと撮れば良かったなと思いつつ、奇麗に撮るために来たんじゃないからこれで良いやと思いなおして帰路へ。

…以上、総走行距離880km、二日間の旅が終了。
夜から深夜にかけて移動し、深夜から夜明けまで寝るという結構ハードな旅だったが、疲れや眠さはあまり感じなかった。

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2009年9月12日 (土)

鉄道廃線跡 - 奥羽本線4連スイッチバック -

9月5日、職場の先輩で廃線仲間のgamiさんと奥羽本線の大沢~赤岩間に存在した「4連スイッチバック跡」を見に行った。

奥羽本線の廃線跡については、宮脇俊三著「鉄道廃線跡を歩く」に2部にわたって紹介され、同書8巻には庭坂~赤岩間、10巻には赤岩~板谷間の廃線跡が掲載されている。

初めて廃線跡を知った人のために説明すると、まず「奥羽本線」は「福島~青森」を結ぶJRの幹線鉄道で、そのうち「福島~新庄」が山形新幹線の経路と重なることから他とは異なる形態で運行されている。
そのうち「福島~米沢」が普通列車の運転区間として区分され、そのうち「庭坂~赤岩」と「赤岩~板谷」がトンネル付替工事やスイッチバック廃止に伴う廃線跡として現存している。なお“4連スイッチバック”で有名なのは「赤岩~板谷間」である。


…ここまで読んで理解していただけただろうか?
上のゴチャゴチャした説明を読む気になったろうか?
おそらく大半の人は『ゴチャゴチャ書いてあるが東北に廃線があったんだな』としか思わなかったのではないだろうか。

というわけで、初めてここを読む人のために図説を織り交ぜて書こうと意気込んだものの、風呂敷を広げすぎて収拾がつかなくなり、また日数を開けすぎて書くのが面倒になったので、詳細はgamiさんのブログをご覧いただくということで平にご容赦願いたい。




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旧大沢駅。

新駅への案内板が設置されているのは、駅に来た人がここを現在の駅と間違えるのを防ぐためだろう。
旧駅の撤去には金が掛かる。
この廃線跡も当面は野ざらしにされるのだろう。




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現在の大沢駅。
無人駅は好きだが、ここは駅舎が新しすぎて情緒が感じられなかった。




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鈍行列車は1~2時間に1本(少ない時間帯では5時間に1本)しか来ないのに、新幹線は20~30分に1本の割合で来る。

経営的にはそのほうが合理的だろうけど…




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旧峠駅。
「峠の力餅」なる食べ物が有名らしい。




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旧峠駅のプラットホーム上から。

ススキが田舎っぽい雰囲気を醸し出している。
ススキは秋の情緒が感じられるし、触ると気持ちいいし、気持ち悪い害虫がいないのが良いい。




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突っ込みトンネル。
「突っ込みトンネル」とは出口の無いトンネルのことだそうだ。




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峠の力餅で軽く腹ごしらえ。
久しぶりにずんだ餅を食べたが、つきたての柔らかい餅で美味かった。
でも5個で800円は高い。せめてお茶くらいサービスして欲しかった。




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旧板谷駅と旧駅舎。
しかし駅の作りがどれもワンパターンで飽きる。




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新幹線を撮影。
渾身の一枚。まるで運転手が私のためにわざわざ電車を停(ry




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赤岩駅前。
登山道にしか見えない険しい林道を下りないと辿りつけない。
それだけでも凄いが、それを普通の車で下りるgamiさんも凄い。

しかし見事な廃れっぷりである。ようやく私もボルテージが上がってきた。




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駅舎はスイッチバック廃止の際に建て替えられたので、わりと新しい。




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赤岩駅ノート。
gamiさんは興味なさげだったが私は貪るように読んだ。

秘境駅の多くはこんな「駅ノート」が設置されているらしい。
駅ノートは秘境駅の証のようなものなのだろう。




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新幹線もいい加減飽きてきた。




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赤岩駅から庭坂方面へ200mほど歩いたところの突っ込みトンネル。




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赤岩駅前道路。
こんな駅誰が利用するんだと突っ込みたくなる過疎ぶりがたまらない。

写真だと勾配のきつさが伝わらないのが残念。




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以下おまけ。

今年6月の磐越西線廃線跡巡りで見つけられなかった「旧中山宿駅」とスイッチバック跡を確認するため帰りに立ち寄った。




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なんというのどかさ…
逆光にうっすら黄金色に輝くススキが情緒をそそる。

子供の頃、十五夜に自宅の縁側で月を見ながら団子を食べたのを思い出した。帰ったら団子でも作ろうかなとこのとき思ったが、家に帰ったら面倒くさくて結局作らなかった。

帰りは安積PAでソースカツ丼を食べ、薄皮饅頭を買って帰った。
PAの飯というと、どうしても昔の不味かった頃のマイナスイメージがあるが、ここのソースカツ丼は美味しかった。

自宅到着は19時30分。総走行距離680km。
gamiさん運転お疲れ様でした。

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