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2017年3月18日 (土)

四国乗り鉄撮り鉄・自販機店巡り 最終日

「コインスナック御所24」を後にし、高速で愛媛へ。

松山市内の到着予定時刻は22時。ノンストップで走って市内のホテルを探すつもりだったが、眠気が我慢できず、この日はサービスエリアで車中泊した。



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今回は天気に恵まれず最終日まで撮り鉄できなかった。
その最終日も午前遅くでないと晴れないうえ、昼まで撮影地を発たないとレンタカーの返却期限が過ぎてしまう。

撮影チャンスは予讃線の本数からして3~4回だろう。そのなかから納得できるショットをモノにしなければならない。




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午前4時過ぎに撮影地付近に着いた。

まだ早いので下灘駅に立ち寄った。
下灘駅はいまや観光名所でマニア・一般人問わず訪れる。日中は駐車できない可能性があるので記録撮影は先に済ませた。




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続いて隣の串駅へ。今回の撮影地は串駅が最寄り駅だ。

左の上り坂が駅舎へ続く道で、ぱっと見駅があるように見えない。また右の舗装路は狭くて車の行き違いができず、駐車スペースも駐輪場の脇にかろうじて一台置ける程度しかない。

駅近辺には案内や目印は一切無い。
夕やけこやけライン(国道378号)から駅前の道路への分岐点には案内があるが、駅近辺には何もない。
何も知らずに行くと殆どの人はそのまま素通りしてしまうだろう。




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無人駅ならではの情景で私の期待通りだった。
逆にこの駅に駅員がいたら、そのほうが異常だ。

串駅を撮影してから予讃線の撮影地に向かった。
夜明け前の山道なのでヘッドライトの光を頼りに歩いた。




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集落を抜けて山道を登ると予讃線の鉄橋が望める場所に出た。

じつは途中で道を間違えて30分以上ロスした。
あるサイトの案内を参考にしたのだが、肝心な分岐での案内が抜けていたばかりか、徒歩での所要時間も登山をしている私ですら疑問を抱く剛脚タイムで、まるであてにならなかった。

「慶徳寺」の案内板がある二股の道では「慶徳寺」の方向が正解だ。私はここを間違えた。




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ツイッターとは別のカットを掲載。
まだ曇っていたときのもの。

撮影地:予讃線(串-喜多灘)
撮影日時:2017年3月14日午前7時57分
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続いて下灘駅へ。

10時くらいになると晴れ間が顔を覗かせたが、完全に晴れたのは一時的で、以降は晴れたり曇ったりだった。




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女子3人組が陣取ってなかなか空かないので勝手に撮らせてもらった。
この後も続々と人が来たのでそそくさと退散した。




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愛媛から高速で高知に戻り、レンタカーを返して高松へ向かう。

JR四国は普通列車が少ないので特急がわりと混む。とはいえ普通席は混むがグリーン席は空いてるので帰りはグリーン席にした。

グリーン席は3列(1列+2列)配置でシートピッチが広く、背もたれは大きく倒せる。高知⇔高松だと特急料金2,160円に加えてグリーン料金2,750円が掛かるが、それに見合った価値はあった。

ちなみに帰りの特急南風18号はアンパンマン列車だった。




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宇多津で乗り換え、さぬきうどん駅(高松駅)へ。
琴電の乗り鉄のため駅の外へ出る。




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高松駅から5分ほど歩き、琴電の始発駅「高松築港駅」へ。

琴電は「琴平線」、「長尾線」、「志度線」からなり、前二つは高松築港駅が始発駅で瓦町駅から分岐し、志度線は瓦町駅が始発駅になっている。つまり3つの路線は瓦町駅を支点に各々枝分かれしている。




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一日フリーきっぷ(大人1,230円)を購入し、長尾線の完乗から始めた。

高松築港駅から長尾駅まで30分ほど。
平日の17時過ぎだったので学生やパート従業員の帰宅時間と重なったが、さほど混雑しなかった。




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長尾駅。
長尾線は住宅街を行く生活路線といった印象だった。




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瓦町駅まで戻り、志度線も完全乗車。

志度線は土休日限定でサイクルトレインを実施し、六万寺駅辺りからほぼ空気輸送になる。3つのうち最ものどかだ。

なお3路線の要の瓦町駅はターミナル駅並みの規模で動く歩道まである。琴電ではこのギャップを楽しむのもよい。




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琴電の志度線を乗り終えた頃ちょうどいい時間になったので、高松駅でうどんを食べ、サンライズ瀬戸に乗り込んだ。




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上り列車を選んだ理由はいくつかある。

① おいしいものは最後に取っておきたかった
② 上りは下りより予約しやすい
③ 東京に朝着くので余裕を持って埼玉に帰れる
④ 東京行きの字幕を撮ってなかったから
ちなみに高松行きと出雲行きは東京駅で既に撮影している。




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シングルデラックスは11号車(サンライズ瀬戸)。
サンライズエクスプレス唯一のA寝台だ。




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通路の様子は東武線の特急スペーシアの個室車両と似ている。




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通路脇の階段を上がると右と左に部屋のドアがある。
右が今回泊まる21号室、左は22号室。




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ドアに鍵はなく、かわりに4けたの数字を入力してドアにロックを掛ける(解除する)テンキーが付いている。




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入口から室内を見る


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ベッド端から室内を見る


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ベッド端から正面を見る

デラックスを謳っているがぶっちゃけビジネスホテルの劣化版だ。
広さ5㎡程度でベッド幅80cm程度。水周りは洗面台のみでトイレとシャワーは共用だ。

他の客室が狭すぎるから相対的に“デラックス”なだけで、唯一現存する寝台特急の最上級客室がこれでは正直がっかりした気持ちを拭えなかった。

シャワーカードとアメニティは検察の際、車掌から受け取る。
タオルを含めたくさん入っているが、タオルと櫛と歯ブラシしか使わなかった。持ち帰りの記念品を兼ねてるのだろう。




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コップは薄っぺらい透明のプラスチック製が一つ。

お茶を入れると検尿のコップにしか見えない。念を押すがこれは私の尿ではない。中身はお茶である。




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シャワー室。
朝4時だったので悠々と入れた。

シャワー室はA寝台の乗客専用とB寝台の乗客用とがある。
A寝台の乗客はシャワーカードが無料の上、6室の乗客だけで使える。B寝台の乗客は有料の上、無数の乗客で使いまわす。

今回シングルデラックスを選んだのは、そうした雑多な環境に身を置きたくなかったのもある。可愛げのない書き方だがシングルデラックスの客室にはあまり期待していなかった。




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脱衣場。

シャワーカードの挿入口はちょっと分かりにくい。なお脱衣場の鍵を開けるとシャワーの使用時間が0にリセットされるので注意だ。
ドライヤーは無制限に使える。




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シャワー室はボディソープとリンスインシャンプーが置かれている。湯の温度は調整できるが湯量は調整できない。

シャワーは青いボタンで止めることができ、このときお湯の使用時間のカウントダウンも停止する。使用時間が残り1分を切るとブザーが鳴るようになっている。

4分使って体を温め、残り2分で体を流したらちょうど良かった。




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午前7時8分、定刻どおり東京駅に到着。

宣伝文句の「ホテル並み」には程遠いが、他の客室と比べて客室の広さやシャワー室の待遇などが恵まれているのは確かだ。

睡眠不足なのもあって11時前から4時過ぎまで深く眠れた。
乗車前は振動や音で寝づらいかなと思ったが、音はさほど気にならなかったし振動は寝るのにむしろ心地よかった。

日曜朝から水曜朝までの四国3泊4日旅行。
天気に恵まれず四国四県を急ぎ足で駆け巡ったが、行きたいところに行き、やりたいことをやれたので良い旅行になった。

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2017年3月16日 (木)

四国乗り鉄撮り鉄・自販機店巡り 2日目

二日目はあいにくの小雨模様。
撮り鉄は諦め、乗り鉄と自販機店巡りに専念した。



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早朝、高知駅の市電と三大がっかり名所「はりまや橋」を探訪。
通勤や通学の人々が途切れた頃、ホテルに戻ってチェックアウトした。

特に予定はないので思いつきでひとまず室戸岬を目指した。




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室戸岬への途中、ごめんなはり線(御免⇔奈半利)の終点、奈半利駅がカーナビに表示されたので寄り道した。

乗り鉄するといいつつ四国の鉄道についてはノーチェックで、事前に調べたのは撮り鉄用の撮影地だけだった。

そのためこの日は終始行き当たりばったりだった。
結果的にそれが良かったのだが。




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駅員に聞くと記念切符の類はないとのことで、手書きの切符を発券してもらい、それを記念に持ち帰った。

四国の鉄道はラッピング列車が多い。
集客や知名度アップに懸命なのだろう。その思いが報われることを祈って奈半利駅を後にした。




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室戸岬を回り、徳島のレトロ自販機店へ向かうさなか、またもノーマークな鉄道駅がナビに表示された。

ローソンに車を停めて調べると、JR牟岐(むぎ)線と阿佐海岸鉄道の海部(かいふ)駅だとわかった。
面白そうなので車を海部駅に停め、急遽阿佐海岸鉄道「阿佐東線」を乗り鉄することにした。




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路線図に説明を加えた。青文字がJR線、赤文字が第3セクター線で海部駅はその分かれ目になる。JR線は途中の駅までしか表記されていないが徳島駅まで運行されている。

今回は赤文字の阿佐海岸鉄道に乗車した。




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右が阿佐海岸鉄道の車両、左がJR四国の車両。ともに気動車だ。

互いに乗り入れは行ってなく、両線を跨いで乗る場合は海部駅でそれぞれの列車に乗り換える。

阿佐海岸鉄道は平日昼なのに5~6人の鉄道マニアが乗っていた。
ほか外国人観光客やお遍路さんも乗り合わせており、地域の特色が現れている路線だと感じた。

阿佐東線を完乗し、今度こそ徳島の自販機店を目指す。




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四国南部は海岸線沿いに高速道路が通ってないため、高知~徳島はずっと下道を走った。そのため国道沿いを歩くお遍路さんの姿を頻繁に見た。

寄り道含めて室戸岬から6時間。
レトロ自販機店の聖地「コインスナック御所24」に着いた。

カーナビなら住所「徳島県阿波市吉野町柿原ヒロナカ41」が早い。
徒歩は徳島線鴨島駅が最寄駅だが駅から5kmはありそうだ。




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自販機類がずらーっと並ぶ様は壮観だ。
設置自販機はうどん・そば、カップ麺、瓶飲料、ガム、そしてここにしかないボンカレーの自販機がある。

訪問日時は2017年3月13日(月)の午後7時。
客は地元と思われる人たちが数人でマニアはいなかった。



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これがボンカレーの自販機。

私が子供の頃は存在していたはずだが見た記憶は無い。
もちろん今回が初めてのご対面だ。




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メニューはカレーライス(中辛)と大辛でそれぞれ300円。
よく見るとボンカレーの「ボン」の文字が消されている。




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出てきたのはハウスのカレーだった。
なるほどこういうことか。ボンカレーは他と比べて割り高だし…

正直騙された気持ちだが、店としては苦渋の決断だったのだろうと好意的に受け止めることにする。




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ボンカレーでないのが釈然としないが、自販機の鑑賞と撮影が目的なので不味くなければ味はどうでもよかったりする。

薄暗い店内で黙々とカレーを食べ、次の自販機を鑑賞する。




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この店のカップ麺自販機は珍しい商品がある。

西日本にしか無いという徳島製粉の「金ちゃんラーメン」と「金ちゃんやきそば」。今ではネットで買えるが、昔は静岡やそれ以西でないと目にすることができなかった一品だ。




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食品の自販機列の反対側にも面白い自販機が並んでいた。

まずは瓶コーラの自販機。越谷のイオンなどで目にするのと同じ型でさほど珍しくない。種類はコーラとハイシーオレンジとジンジャーエールで、すべて190ml瓶の100円だ。

この店は珍しい商品が多いだけでなく安いのも特徴だ。




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瓶飲料の自販機から一つ挟んでロッテガムの自販機、その横には手袋の自販機まである。




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この自販機は目にしたことがない。
「返却レバー」の形状や書体などから察するにかなり古いタイプと思われるが、知識が無いので私には判別できない。

ガムの自販機はかつて栃木県矢板市のオートレストラン24でも見た。
ただしあちらは新型で中身もコンビニで売ってるガムしかなかった。ところがこちらは商品まで懐かしいから驚く。
MINT BLUEなんてまだあったのかと釣られるように購入。




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手袋なんか誰が……いや、農作業の人が買うのだろう多分。
もちろんこれも初めて見た。




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さて帰るかと横の真新しい自販機を見ると変な表記を見つけた。




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地域色をやたら前面に打ち出しているのが気になり、詳しく観察した。




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この辺はごく普通だ。
地方名産の水やお茶はたくさんある。




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「徳島珈琲」

これは異色だ。ふつう珈琲に地名は付けない。
付けるとしたらコーヒー豆の産地名である。わくわくしてきた。




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極めつけはこれだった。阿波踊り専用ドリンク「アワライズ」。

専用品なのがすごい。缶にもしっかりと明記されている。
「シャア専用」のように専用を謳えば欲しくなる心理を狙ったかは知らないが、あまりにも尖りすぎて買うのをためらってしまった。

以上コインスナック御所24の自販機類を紹介。
専用ページを作りたくなるほど中身が濃い店だった。

四国に来たときは高知駅のコインスナックPLAY PLANだけでなく、苦労してでもこの店を訪れてほしい。必ず満足すると思う。

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2017年3月15日 (水)

四国乗り鉄撮り鉄・自販機店巡り 初日

予讃線に憧れ、3泊4日で四国を旅した。
とはいえ撮り鉄一本に絞ると天気に翻弄されるので、乗りやレトロ自販機の設置店巡りを兼ねた。

案の定、滞在中はほとんど雨だった。
思い起こすと遠征ではたいてい降られる。雨男なのかな。



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新幹線で岡山へ行き、高知行きの特急「南風」に乗り換える。

この日(3月12日日曜朝)の新幹線指定席は東京で20%、品川で60%、新大阪まで70%前後の乗車率。以降ガラ空きだった。




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南風9号は指定席が乗車率8割ほどでグリーン席はガラ空きだった。

普通席は思ったより混んでいた。列車の本数と移動手段が少ないから、おのずとこうなるのだろう。

なお岡山から高知に向かう場合、座席は左側が良い。
瀬戸大橋と川沿いは左側の景色が抜群だ。




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高知駅の駅レンタカーで車を借り、3年ぶりの運転におっかなびっくりしながら土讃線の安和駅へ。

この日は夕方以降天気が崩れるとのことで、夕方まで間に合う鉄道名所を探したところ、この安和駅となった。

ホームの目の前は海。南国らしくやしの木が植えられている。
たまに打ち寄せる波の音しかしない静寂の駅だ。下灘ほど有名ではないので静かに海の駅を楽しみたい人にお薦めする。




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「らぶらぶベンチ」。下灘駅にもある。

すべりやすい材質で真ん中がくぼんでいるので、二人並んで座ると自然に体同士がくっつく。

時間が時間なので一箇所だけ寄り道して宿にしけ込むことにした。




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「コインスナックPLAYPLAN」。
レトロ自販機の設置店で、横にゲームセンター「アミューズメントPLAYPLAN」が立ち並んでいる。

場所はカーナビなら住所「高知県高知市比島町3-16-7」か電話番号「088-829-0909」で検索すれば早い。
徒歩なら高知駅北口をまっすぐ進み、信号二つ目(高知銀行)の交差点を右折し、500mほど行けば右手に見える。




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設置自販機はうどん・そば(ともに250円)、ラーメン(270円)、トーストサンド(チーズ230円、ハム200円)の三種類。

訪問日時は2017年3月12日(日)の午後7時頃。
客は私と入れ替わりに2人、その後しばらく私一人だけ、帰り際に私と入れ替わりで2人来た。
それなりに客はついてるようだ。




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ここではそば(250円)を食べた。

揚げとなるととかき揚げと刻んだネギが入っている。
麺の若干薬っぽい匂いが気になったがおいしく完食できた。




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テーブル席で道行く車を眺めながら食べられる。

店に入ったとき妙齢の女性がテーブルを拭いており挨拶された。この人がオーナーだったのかもしれない。
テーブルと床はとても綺麗に掃除されていた。

この後はリッチモンドホテル高知へチェックインした。
ホテルの駐車場が宿から離れた契約駐車場で、周囲はコインパーキングだらけだったので間違えて停めてしまった。フロントで駐車場の話を聞いて変だと思って戻ったところ間違いに気づいた。

宿ではあまり寝付けなかった。
羽毛布団は柔らかすぎて寝付きにくい。我が家のように固めの敷き布団に安い掛け布団の組み合わせでないとしっくり来ない。

その点、帰りに乗ったサンライズ瀬戸のベッドは、我が家の睡眠環境に似ていてとても寝やすかった。

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2017年1月 8日 (日)

猪苗代の高級温泉宿「静楓亭」

年始に泊まれる温泉宿を探していた際、偶然静楓亭を見つけた。

静楓亭は「一人泊可」、「広い客室(50畳)」、「専用露天風呂付き」、「部屋食(会席料理)」と私が望む条件をすべて満たしていた。

今回埼玉から新潟への旅行中に立ち寄ったが、静楓亭をメインに旅程を組んだほど期待と憧れは大きかった。

料金は一人泊で5万4000円(税・サ込)。
正直高い。だが5万4000円出せば上記の条件をすべて満たしたハイクラスの宿に泊まれると思えば出せない額ではない。


静楓亭 TEL0242-62-5600
・福島県耶麻郡猪苗代町大道南1640-6
・宿泊日:2017年1月3日(火)
・プラン:るるぶトラベル お正月空きあり!源泉掛け流し 露天風呂付き客室 2食付プラン

ぼっちdeだいじょうぶ度(5段階)
・館内  ★★★★客は少ないが客層が良すぎて若干居心地悪い。
・客室  ★★★★★二重防音に広大な部屋。完全に一人の世界。
・大浴場・露天風呂 ★★★★★客室専用露天風呂
・夕食  ★★★★★部屋食
・朝食  ★★★★★部屋食



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猪苗代駅から送迎タクシー(もちろん無料)に乗り約3km。
猪苗代スキー場の南西、磐梯山のふもとに静楓亭はある。

宿に着くとご主人と女将さん、仲居さんの温かい歓迎を受けた。
初めての高級宿で若干緊張があったが、格式じみたお迎えではなくごく自然なほっこりとしたお迎えだった。

チェックインの際、外の池の立派な鯉を眺めていると「客室のお風呂の堀にも鯉が泳いでいるのでご覧ください」と薦められた。
鯉が温泉でも生息できるのを初めて知った。




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玄関の様子。
バリアフリー構造で客室内は殆ど段差がなく、室内は手すりが設けられているため足腰の弱い人でも楽に移動できる。

それにしても玄関でこの広さだ。しかもドアの先はまだ客室ではなく、客室へ続く「次の間」である。




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さきほどと逆側から玄関を撮影。
まるで団体様専用の部屋みたいだ。




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靴は仲居さんがいつの間にか出し入れしてくれた。

静楓亭にこれみよがしなサービスはない。
気が付かないうちにさりげなく世話を焼いてくれる。




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トイレは駅の車椅子トイレ並みに広く2畳くらいある。
もちろん広いだけでなく清潔だ。




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トイレのスリッパ。
スリッパだけで何足あったっけ……玄関に二足、トイレ、板の間……四足は間違いなくあった。

玄関に二足置かれているのがさすがだ。
二足あれば外への出入り用と室内履き用とに使い分けられる。




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12畳の和室。テレビを見たりご飯を食べる部屋だ。

客室紹介には「派手な装飾品は一切なく、高級旅館とは違う何も無い空間をお楽しみください」と謙遜しているが、質素さに見て取れる凜としたたたずまいは高級旅館そのものだ。




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寝室(十畳)はさらに凛としており、夜に枕元の照明をつけると、まるで時代劇の殿様の寝室のような装いを見せてくれる。

十畳の大部屋のど真ん中に布団がたった一組。
なんて贅沢な寝かただろうか。




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板の間から居間と寝室を左右に見る。

贅沢な空間の使いかただ。
なお客室は居間12畳、寝室10畳、板の間13畳の35畳。
さらに踏込みと次の間が8畳(推定)。そこに脱衣所と内風呂、露天風呂(7~8畳)、中庭を加わるととてつもない広さだ。

一人ではもちろん二人でも持て余すだろう。




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客室の大きな照明は明るさを2段階に調整できる。




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床の間には掛け軸とテレビ。
50インチはある大型テレビなのに部屋が広いので小さく見える。




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板の間から洗面所を見る。この板の間だけで13畳ある。

すべての部屋は床暖房になっている。
板の間も和室も同じくらいの温度に調整されているので和室と板の間を移動する際、スリッパを履き忘れそうになる。そればかりか雪国に来たことを忘れそうになる。




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逆側から撮影。
手前のマッサージチェアはいつでも自由に利用できる。




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板の間にあるミニキッチンは調理はできない(こんな宿でしたくない)が、コーヒーやお茶を淹れることができる。

また氷入りの冷水が置かれているので、お酒や飲み物に注いだり湯冷ましに一杯飲むのに重宝する。




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口コミでよく触れられるコーヒーメーカー。
コーヒー豆とコーヒーミルまであるので好きな粗さで淹れられる。コーヒー好きにはたまらない配慮だ。




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冷蔵庫には瓶入り飲料がぎっしり。旅館はこれが無いと始まらない。
個人的には瓶入りウーロン茶と水がなかなかレアで目を引いた。

高そうなお酒がたくさんあったが、あいにく酒は飲めない。
温泉宿でお酒をおいしく飲めたら旅がさらに楽しくなるだろう。こんなときは酒好きが羨ましい。




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客室は全部で11部屋しかない。
総平屋の客室がずらーっと並ぶ様はまさに選ばれし者たちだ(笑)。

なお客室間を隔てる壁はすべて二重防音で、隣からの音は玄関付近とおもての露天風呂以外殆ど聞こえない。
宿の名が示すとおり静粛さに関しては完璧だ。




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板の間と風呂を結ぶ洗面所。

化粧品は資生堂製でドライヤーもそこら辺のホテルにある物だ。
高級宿では海外のハイブランド品で統一する所が多いが、ここはそういった所は普通の旅館と変わらない。




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洗面所から脱衣所へ。
脱衣所にカゴが4つあるので4人での宿泊が標準なのだろう。




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湯はシャワーのみ沸かし湯とのこと。
沸かし湯は髪をトリートメントしたり温泉成分を流すときに使うが、せっかくの温泉成分を流すのが勿体無くて一度しか使わなかった。

内風呂は狭い。というか露天風呂があるのでぶっちゃけ必要ない。




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客室専用の天然温泉露天風呂。
広さは7畳とも8畳ともいわれ、大人が10人は入れる。あまりに広いので浮き輪を貸し出してるほどだ。

これだけの露天風呂が個々の客室にあるので、他の旅館にあるいわゆる「大浴場」は静楓亭には無い。

湯は緑色の若干鉄サビ臭でなめると甘い。
源泉掛け流しで循環や加水や加温はせず、湯量だけで温度を調節している。温度はチェックイン直前に最終確認するらしく、チェックイン時に客室の湯の温度を確認する仲居さんたちのやりとりがあった。




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夜の露天風呂。
質素で凛とした世界は美しく、能の世界を思わせる。

圧倒的な非日常感。時が過ぎるのを忘れそうになる。
しかもこの日は夜から雪が降り、暗闇の空から舞いおりる雪がライトで輝き、まるで蛍の群れのような美しさだった。




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雪は翌朝も降り続き、はからずも雪見風呂となった。
大きな雪玉を温泉に入れて溶ける様を見るのがまた楽しかった。

年末年始、この日まで雪は降らなかったそうで宿の人に運が良いと言われた。温泉宿ではなぜか幸運に恵まれる。

露天風呂は4回入った。
客室から近いので大変便利だ。




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夕食は部屋食。一人旅なので部屋食は嬉しい。

食事はおしながきにそって仲居さんが運んでくる。
1月なので「睦月」のお題が付いている。




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食前酒(左のぶどう酒)と先付け(真ん中の色々乗った豆腐)と前菜(上のおせちっぽいの)。いわゆるオードブル。

肉とブロッコリーは「強肴」といって酒を飲むためのつまみらしい。私は酒は飲まないがたしかに酒には合うと思った。

肉は福島牛で十切れくらいペロッといっちゃいそうな美味さだ。




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メイン料理。飯と味噌汁は自分で並べたので適当。多分逆だ。

刺身やかにや山芋は馬鹿舌でも美味いと認識できたが、焼き魚(鰆)が冷たかったのが残念。焼き立てを食べたかった。

米は会津産コシヒカリで一合くらいのおひつに入っている。厨房に電話すればおかわりできるが、おひつの量で充分だった。

余談だが米を残すと「お百姓さんに申し訳ない」と親父にひどく怒られた。なのでよほどのことがなければ残さない。




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夕食を食べ終え、厨房に電話すると仲居さんが食事の片付けをすると同時にデザートを持ってきてくれる。

デザートが運ばれたタイミングで朝食の時間を聞かれ、以降部屋には伺わないのでゆっくりお休みくださいと伝えられた。

布団はあらかじめ寝室に敷かれ、必要以上に干渉しないのが宿の理念らしい。かといってサービスが無味乾燥なわけではなく、既に触れたようにこちらが気が付かないうちにごく自然に手を焼いてくれる。

飲み終えた湯のみやコーヒーカップなど、いつ持って行ったか気がつかないほど絶妙な片付けっぷりだった。
その辺、素人には分からないノウハウがあるのだろう。




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朝食。蓋を取り忘れたが黄色いおわんの中身は湯豆腐。
飯と味噌汁は私が適当な隙間にねじ込んだので配置は適当だ。

しかし朝食でこれだけ器が多いと後で洗うのが面倒だろう。いつも鍋一つで済ませる自分の惨めな食事とは雲泥の差だ。

朝食の鮭は温かくて脂が乗って美味しかった。




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羽織りを来て上座に座ると、こんな私でも多少サマになる。
それでも顔をさらすのは恥ずかしくてモザイクを掛けざるを得ないが。




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一夜で大雪となったためタクシーの手配を頼んだ。

自分から頼んだので当然料金を払うつもりだったが、宿と契約しているタクシーとのことで帰りも無料だった。
そういうところを無駄にアピールしないのがまさしく高級宿だ。




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帰りも皆さん総出で送り出していただいた。

静楓亭は名前のとおり静かで楓の花言葉のように「大切な思い出」を客にとどける素敵な温泉宿だった。

冒頭で書いたように今回の年始旅行は静楓亭を旅のメインにし、それ以外の旅程を静楓亭にあわせるように組んだ。
それだけ期待するところが大きかったのだが、はからずも期待以上の素敵な宿泊となった。運にも恵まれたと思う。

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2016年12月 7日 (水)

奥鬼怒の温泉宿「川俣一柳閣」

辺境の静かな温泉宿に憧れ「川俣一柳閣」を予約した。
一柳閣は温泉宿では珍しく一人で宿泊でき、露天風呂が豊富で貸し切りしやすく、また夕食が部屋食なのが魅力だ。


川俣温泉一柳閣 TEL0288-96-0111
・栃木県日光市川俣40-3
・宿泊日:2016年12月4日(日)
・プラン::るるぶトラベル【JTBセレクト】のんびりステイ◆レイトアウト11時の21時間ステイ♪ご夕食は部屋または個室食事処

※川治温泉駅の付近に「一柳閣本館」という旅館がありますが、こちらは伊東園グループが経営する旅館で川俣一柳閣とは無関係です。

ぼっちdeだいじょうぶ度(5段階)
・館内  ★★★ロビーの椅子などは2人掛け以上がデフォ。
・客室  ★★★他の客室と間を空けてくれる。閑散期★5
・大浴場・露天風呂 大浴場★2。露天★4.5。団体客は大浴場に流れる。露天は内鍵付きの貸切風呂が3つある。
・夕食  ★★★★★部屋食
・朝食  ★★宴会場で一堂に食べるので敷居は高い。他に客がいなければ部屋食にしてくれるが保証は無い。



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公共交通機関の場合、鬼怒川温泉駅(※)から女夫渕(めおとぶち)行きのバスに乗り、「一柳閣前」で下車する。
鬼怒川温泉駅から約90分の道のりだ。

★女夫渕線ダイヤ・運賃等
日光市営バス

※鬼怒川公園駅、新藤原駅、川治温泉駅、川治湯元駅にも停車する。




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バスの車内(最後部)から撮影。座席数は30ほど。

路線バスなので座席は狭く、寝るには少々厳しい。
途中の青柳車庫前で9分間休憩する。トイレ・自販機あり。




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バス停の目の前から玄関への道を行き、ドアを開けるとフロントがある三水館5階に入る。

一柳閣は通常期の宿泊客を受け入れる「三水館」と時期限定で開放される「三雅(みやび)館」からなり、外廊下で繋がっている。

チェックインとチェックアウトは三水館5階のフロントで行う。




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フロントの男性に今回泊まる3階の303号室へ案内してもらった。

この日は冬の平日前ということで宿泊客は私だけだった。辺境の温泉宿がより静けさを増し、私にとって理想の宿泊となった。




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玄関の右手は洗面所とトイレ。
部屋に風呂は無いため、入浴は三水館1階の男湯と女湯の大浴場、または貸切3箇所を含む男女別の露天風呂で行う。

床は若干ミシミシと鳴り、トイレのドアは静かに閉めないとうるさい。




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部屋は12畳+踏込0.5畳+次の間4畳+広縁4畳(だと思う)。

一人だとさすがに広い。
もっとも広いからこそ贅沢さや非日常さを感じるともいえるが。




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広縁には椅子とテーブルと灰皿。
奥の椅子の後ろには冷蔵庫が置かれている。




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広縁側から見た部屋の様子。
全ての部屋が渓谷側に面している(窓が設けられている)ため、縦に長い形状なのが特徴だ。




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冷蔵庫の中はアルコール類やコーラなど瓶詰めの飲料が入っており、飲んだ分の料金を支払うシステムになっている。

冷蔵庫の上にはグラスと栓抜きが置かれている。
いかにも旅館らしい。




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お茶はナイロンのような目の細かい袋に入ったティーパックと茶葉が置かれ、それぞれに急須と湯飲みが用意されている。
また夕食後は使用した急須と湯飲みを交換してくれる。

人の手がこまめに入るサービスは旅館ならではだろう。




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お茶受けのせんべい。
出来合いの物ではなく旅館向けの製品である旨が印刷されている。細かいながらも嬉しいこだわりだ。




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こうした玩具も旅館ならでは。
ほかマッサージ棒や大量の車輪を転がしてツボを刺激する怪しげなマッサージ器もあった。




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湯のみはこれでもかというほど入っている。
しかも夕食後に全て交換しに来る。



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窓からの眺め(翌朝撮影)。

奥の建物は旅館「仙心亭」。2人からの宿泊しか受けてないようだ。
下の屋根は川俣一柳閣の露天風呂。各露天風呂への通路は屋根が通っているので雨でも安心だ。




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夕食。仲居さんが6時頃部屋に持ってきてくれる。

品数は多いが奥の鍋の肉(猪だったかな)と湯葉の刺身以外、取り立てて目を引くものはない。しかし器が多くて見栄えが良いので視覚的に楽しめ、おいしいモノを食べた気持ちになる。




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朝食。7時半か8時のいずれかを選ぶようにいわれ、7時半にした。

朝食は原則的に朝食会場での提供だが、この日は宿泊客が私だけだったので特別に部屋での提供となった。

たまたまとはいえ2食とも部屋食は幸運だった。




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貸し切り用の露天風呂(檜風呂)。夜撮影した。
内鍵が掛かるので完全に貸し切りできる。

この檜風呂はくりぬかれた檜の幹から湯が出ているため、湯船に細かい木の皮が入ってくるのが特徴だ。ほか二つの貸切露天風呂はともに岩風呂で、岩が風呂桶の形にかたどられている。




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大露天風呂。10人は入れる広さだ。これも貸し切りだった。

この広さの天然温泉の露天風呂を一人で好きなだけ入れたのは究極の贅沢だった。一泊5万の宿でも無理だろう。




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目の前は渓谷。冬の夜なのに身体はポカポカ温かく、見上げれば満天の星空。

あまりに非日常的すぎて幸福感がリアルタイムに湧かなかった。徐々に心が至福に満たされる感じだった。
あらためて素晴らしい体験をしたと思う。




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露天風呂の通路から三水館を見上げる。

真ん中のオレンジ色の明かりの部屋が私が泊まった303号室。その上の光はフロント階の明かり。




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朝食後のコーヒータイム。

今回はあまりに特別な状況すぎて一人旅の情報としてはあまり参考にはならなかったと思う。

仲居さんの話によれば冬は最も客が少ないそうなので、辺境の温泉宿で一人旅情に浸りたければ、冬の平日や平日前の休日に狙いを絞ってはどうだろうか。

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2016年6月 7日 (火)

野岩鉄道-鉄旅

連休二日目は午後から天気が崩れるとのことで、南会津の山登りを止めて野岩鉄道を巡った。



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5時半の始発から3時間掛けて湯西川温泉駅に到着。

湯西川は温泉の名地だが今日は撮り鉄で来た。撮影地は駅を右に行った先の橋。駅から見えるのですぐに分かる。




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こんなふうにやや俯瞰気味に撮れる。

詳しくない人のために書くと、これは東武6050系で最長浅草から会津田島まで190kmを走行する列車である。

座席はボックスシートで長旅に向き、特急より本数が多く時間的にも大差はないので利便性が高い。そのため土日始発の浅草発会津田島行きは浅草駅から座席の争奪戦が繰り広げられる。




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この日は終始薄曇で、少しだけ晴れ間が見えた。




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撮り鉄に飽きたので野岩鉄道終点の会津高原尾瀬口駅へ。

野岩鉄道フリーきっぷ(2,070円)を購入した。野岩鉄道(新藤原-会津高原尾瀬口駅)を一日何回でも乗降できる。

この駅には駅に併設された恋路茶屋(食事処)がある。
南会津の山登りに来たときはほぼ毎回立ち寄っている。




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恋路茶屋はご飯物や麺類などを幅広く扱い、土産店も一緒に経営しているのでハイカーなどによく利用されている。

ただしグルメな人からの評価は高くない。
たとえば以前のソースカツ丼はソースの酸味がきつく、味付けもしつこくて完食がきつかった。

だが久しぶりに食べたソースカツ丼はソースの酸味が抑えられ、甘くてまろやかだった。肉は若干固いが普通においしいし、味噌汁の味付けもマイルドになった。

おそらく客の声を反映したのだろう。作っている人は同じなのに別人が作ったようなおいしさに変わっていた。




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こちらは持ち帰り用。帰りの列車内で食べた。
作ってから3時間後に食べたが、冷えてる点以外店で食べるものと遜色なく、紅生姜ともよくマッチしていた。

値段は店、持ち帰りともに900円。
注文時に会計し、受け取りと食器の戻しはセルフで行う。野岩鉄道のフリー切符を掲示すれば100円引きで食べられる。




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恋路茶屋の変わりように喜び、秘境駅の男鹿高原駅へ。

会津高原尾瀬口駅の隣駅で列車だと5.7kmなのに、徒歩だと大きく迂回するので13kmもある。




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国道側から駅の方向を撮影したもの。

まさしく無人の世界。だが国道121号からのアクセスが容易で列車でも浅草から一本で来れるので休日はそれなりに人が来る。根っから秘境を楽しみたい人はがっかりするかもしれない。




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バックショットを狙ったらまさかの下車客に遭遇した(右端)。

夏のスーツ姿でたくさん荷物を持っていたので何しにきたんだろうと思っていたら、2時間後くらいに息を切らして現れ、浅草行きの列車に乗っていった。ハイキングではないだろうし謎が多い人物だった。




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男鹿高原も退屈したので、予定より1時間早く鬼怒川温泉駅へ。

駅で1時間ほど暇を潰して「きぬ138号」に乗った。
138号(最終の一本前)と最終便の140号は平日土日ともに「夜割」で特急券が安い。しかも138号はビュッフェの営業と車内販売があるのでお得感が高い。




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久しぶりの個室独り占め。

…だったが汚れが目立った。肘掛の金メッキは水垢まみれで肘掛の裏も埃まみれ。トイレの便器も汚かった。おそらく誰も掃除のチェックをしてないのだろう。

ホテルなどではこういった手抜きを客は敏感に察知し、徐々に客足の衰えや信用の失墜となって表れる。信用を失う前に善処して欲しいと切に願う。




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恋路茶屋で買ったトマトジュース。1本130円。

めちゃくちゃ美味い。馬鹿舌の私が飲んだ瞬間「うまい!」と言って膝を叩いたほど美味い。
カゴメのストレート果汁100%のトマトジュースも美味いが、これはそれを軽く凌駕している。完熟トマトなので甘みがあり、それでいて飲み応えがすっきりしている。




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スペーシアの車内販売のホットコーヒー(330円)。

まずい。淹れてから時間が経ってるのか酸味が口に残る。馬鹿舌の私が自信を持って下の中ランクと認定できるまずさだ。

野球場のコーラや観光地のソフトクリームみたく、この手の飲み物は気分で買うものだから値段をとやかくいうのは野暮とはいえ、それにしても330円でこの味はいただけない。


※関連サイト
野岩鉄道
東武鉄道
会津高原憩いの家(恋路茶屋)

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2015年6月 7日 (日)

日本列島南から北へ - 空と海の旅 おまけ編 -

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今回利用したJALダイナミックパッケージは27,200円で、行き帰りの航空券と一泊のホテル代が込みになったプランだった。

これがどれほど安いかというと、航空券を片道ずつLCC(格安航空会社)で買い、そこにホテル代を足したくらい。これで儲けがあるのか心配したくなるが、その分繁忙期でがっぽり儲けているのだろう。

で、お盆はどれだけ高いか調べると、今回と同じ条件で105,500円だった。それでも6月7日時点で残り空席2~3しかない。こういう人たちは一回の家族旅行で50万とか100万くらい使えるお金持ちなんだろう。




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九州新幹線の全線開通まで新幹線リレー号として運行していた787系は、今ではただのザコ……ではなく特急列車に成り下がった。

以前は787系のDXグリーンに乗ろうと夢見ていたが、スペーシアの個室やフェリーの上級客室級に乗ったらそんな気は失せてしまった。




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特急「指宿のたまて箱」。鹿児島中央と指宿を結ぶ観光列車。
客室乗務員が同乗し、サービスが充実していて人気が高いようだ。

人気が高いのはともかく、このデザインはどうかなと思う。




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指宿枕崎線の車内。晴れていたら綺麗な眺めだったと思う。
この日は朝は曇っていたが、この列車に乗ってから雨が降り始めた。




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西大山駅の外には幸せを届けるという黄色いポストが置かれていて、訪れた人が記念撮影する場所になっている。

平日の雨の無人駅なのに人が多かった。休日だとどうなるんだろう。




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天文館へ歩く道すがら見つけた西郷どんの自販機。
鹿児島では少しだけ薩摩弁を聞くことができた。九州の方言は難解で特に年配者の薩摩弁は何を言ってるのか分からない。

余談だが私の親父は生まれが熊本で、普段は標準語を話すのに実家と電話するときは訛りの強い熊本弁で話していた。そのたびにいつも親父がバイリンガルに見えた。




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電動アシスト自転車で桜島の遊歩道を巡る。
空は曇っているのではなく灰で覆われている。反対側は晴れていた。

桜島は坂が多く、地面に積もった灰で走行ロスが大きい。そのせいでバッテリーの減りが早かった。




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観光客が車で鹿児島に来ると、市電との通行の兼ね合いをどうすれば良いか分からなくなることがあるそうだ。

今回そうした場面を何度か見たが、いずれも後ろの地元のドライバーが短いクラクションで合図してやっていた。
鹿児島の人は優しいなあと見ていて思った。

これが東京埼玉なら合図兼怒りのクラクションになる。しかもルームミラーを見ると鬼のような顔をした後ろのドライバーがなにやら喚いていることが多い。関東に戻って本当に糞みたいな所に帰ってきたなと実感した。




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鹿児島中央駅に駆逐された感の鹿児島駅。
こちらは長閑なもので、駅員は退屈そうだった。




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フェリーさんふらわあで食べるため、鹿児島中央駅の売店で買った「黒豚とんかつ弁当」が絶品だった。あんまり美味しいので、急いでかき込んでしまい、しばらくの間しゃっくりが止まらなかった。

黒豚と普通の豚肉がどう違うかよく知らないが、旅行中は店でも弁当でも黒豚ばかり食べていた。




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そのさんふらわあの和室。

本編では物をどかして撮影したが実際はこんな感じ。
テーブルをどけるのが面倒で、窓側の隙間に布団を敷いて寝た。




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「きそ」のカードキー。「いしかり」のカードより濃い色をしている。
裏に磁気テープが付着しており下船後は使用できなくなる。そのため記念として持ち帰れるようになっている。




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帰りの新千歳空港→羽田便は満席に近かった。
この航路は仕事絡みの人がよく使うらしく、3週間前の予約時点で大半の席が埋まっており、当日はビジネスマンばかりだった。

羽田から自宅まで2時間掛かった。飛行機は下りてからが面倒。

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2015年6月 6日 (土)

太平洋フェリー「きそ」 ロイヤルスイートルーム乗船記

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4月の「いしかり」に続き、「きそ」のロイヤルスイートに乗船した。
「いしかり」ロイヤルスイートルーム乗船記はこちら

「きそ」は2005年1月就航の船舶。
初めに「いしかり」の真新しいロイヤルスイートルームに乗ったので、見劣りするのではないかという危惧があったし、実際そういった面が多少なりともあった。

だがよほどの金持ち暇人でない限り、最上級の客室は何度も乗る機会が無い。限りある機会を無駄にしないためにも、両方のロイヤルスイートを体験しようと、今回はあえて「きそ」に乗った。


船名:太平洋フェリーきそ
乗船日時:2015年5月31日19時00分~6月2日11時00分
乗船区間:名古屋港→苫小牧西港
客室等級:ロイヤルスイート(601号室)
乗船人数:一人
運賃:50,400円(A期間 インターネット予約により一割引)




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太平洋フェリーの好きな点はたくさんあるが、その一つが乗船開始時間。他のフェリー会社が概ね出航1時間前からの乗船なのに対し、太平洋フェリーでは出航1時間半前から乗船が始まる。

乗船時間が早ければより長く客室に居られるし、上位の客室ほどその恩恵は大きい。しかも出航まで1時間半もあるので、部屋の風呂で汗を流し、レストランで食事をしてから悠々と出航を見届けられる。




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5枚連なったレストランの食事券がこれからの長旅を思わせる。
食事券に印字された「ROYAL」は今回初めてその意味を知った。

なお今回は名古屋港→苫小牧西港の完全乗船も兼ねている。




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エントランスホール(5デッキ)。
「いしかり」のホールには圧倒されたが「きそ」も負けていない。




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太平洋フェリーのロイヤルスイートルームは国内フェリー最大の52㎡を誇る。まず52㎡がどれほど広いか図を見て欲しい。

大まかに一等の4部屋分、特等の3部屋分以上はありそうだ。また他のスイートルームすら圧倒しており、セミスイートとの比較ではそこに一等を2部屋足したくらい、スイートとの比較では特等を一部屋足したくらいの広さを誇る。




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★スイート共通サービス


船内入口で乗船券を手渡すと、カードキーをお持ちしますと近くの椅子に座って待つよういわれた。
しばらくすると女性のスタッフがカードキーを持って客室へ案内してくれた。荷物はそのスタッフが持ってくれた。

このサービスはロイヤルスイートルーム、スイートルーム、セミスイートルームの各乗客にのみ行われる。




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★ロイヤルスイート ここが違う!

ドアの前には「いしかり」と違って造花が飾られていた。

スイートとセミスイートが淡い色のドアなのに対し、ロイヤルスイートだけは焦げ茶色の重厚な色使いだ。「貴方の部屋だけは特別ですよ」という配慮が見られると、やはり嬉しい。




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室内に入ったところ。
下の写真のスイッチ類は左から照明スイッチ、カードポケット(主電源の役割)、エアコンの操作盤になっている。
カードポケットにカードキーを挿し込むと客室内の全ての電源が利用できる。またカードキーを抜くと全ての電源が落ちる。

※「いしかり」ではカードキーを抜いて数秒は照明が落ちないのに対し、きそでは即座に落ちる。このように「いしかり」では「きそ」から改良されていると思われる点がいくつかある。


ここで本来はカードキーの施錠と開錠の方法をスタッフから説明されるが、今回は部屋に向かう途中でいしかりのロイヤルスイートを利用したことがあると伝えていたので、操作説明は省略された。




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奥に見えるのはロイヤルスイートにしかないリビングルーム。

★ロイヤルスイート ここが違う!

カードキーを受け取ると、「何時頃レストランに来るか」を聞かれる。これは夕食時(今回は2回)に限りロイヤルスイートの乗客にのみ専用席が用意されるスペシャルサービスである。いしかりの乗船記で口を酸っぱくして書いたが、このサービスはロイヤルスイートの乗客のみの特権なので断ってはならない。

なおこのサービスも「いしかり」と「きそ」で微妙な違いがあった(下記参照)。ただしこの違いが船舶の違いによるものか、スタッフによるものか、たまたまなのかは分からない。

「いしかり」
・指定の時間になると女性スタッフが客室へ迎えに来る。そのスタッフが白いテーブル掛けが敷かれた専用席へ案内してくれる。

「きそ」
・迎えはない。レストランで食券を渡すと「601号室のお客様(※)…」とスタッフのやり取りがあり、蝶ネクタイのチーフらしき男性スタッフが白いテーブル掛けの専用席へ案内してくれる。これはこれで嬉しかった。

(※)食券の「ROYAL」はこのときのためだと思われる




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★ロイヤルスイート ここが違う!

リビングルームは全等級のうちロイヤルスイートにしか無い。1枚目の写真を見て欲しい。部屋が広いので大型の液晶テレビが普通のテレビ並みに小さく見える。この広さがリビングルームの売りだ。

★「いしかり」のリビングルームとの主な違い
・L字型ソファーが扇型になっている
・寝室の近くに短めのベッドがもう一つある
・船首側の窓の近くに外を眺めるための椅子が無い(※1)
・船首側の窓際に水場がある(※2)

(※1)上の写真の椅子は寝室にあったもの
(※2)いしかりでは寝室の奥に水場(と化粧台)がある




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船首側から寝室を見る。
寝室とリビングはレースのカーテンで仕切ることができる。




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★スイート共通サービス


寝室はセミダブルサイズのベッドが二つ並び、「いしかり乗船記」で触れたように、幅が広いので並大抵の寝相の悪さではベッドの下に落ちるようなことはまずない。

窓の反対側に横長のテーブルと椅子が置かれている。椅子のすぐ後ろがベッドなので窮屈だ。椅子をしまうときも手狭なので、見ると椅子とテーブルにぶつけた痕が付いていた。いっぽう「いしかり」はここには何も無く、奥に先述の水場と化粧台がある。この水場と化粧台は位置的に奥まっていて使いにくかった。

体感的には「いしかり」のほうが広く感じたが、個人的にはここには何も置かず、その分寝室を広くして欲しいと思う。




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ベッドの間に置かれた操作盤。
上部はベッドランプや船内放送の調整ボリューム、目覚ましの時刻設定ボタン、各部屋の照明ボタン。引き出しの下はコンセントとフットスイッチで、コンセントはフットスイッチを入れないと利用できない。なおコンセントは寝室に3個、浴室入口の下に1個ある。

「きそ」の照明スイッチは分かりにくかった。
各部屋の照明スイッチがオブジェの照明等にも細かく割り振られているため一括的にオンオフできず、また一部の照明は寝室のスイッチに連動していないため、寝室から操作できないものもあった。




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トイレと浴室がある区画。
左の扉がトイレの入口、右の扉が浴室の入口。




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★スイート共通サービス


浴室は豪華さは「いしかり」、意匠は「きそ」に軍配が上がる。

「いしかり」はシャワールームと浴槽を仕切るガラス張りのドアが圧巻だった。よく考えるとガラス張りのドアなど無くても問題ないのだが、ゴージャスさを演出し、客をその気にさせる仕掛けを施すのは上級客室では重要だと思う。ただしこれは「きそ」が劣るのではなく「いしかり」がすばらしいのだと強調しておきたい。

湯船は「いしかり」同様、大人が寝そべれるほど広い。
シャンプーやボディソープは「いしかり」がボトルで置かれているのに対し、「きそ」はビジネスホテルによくある据付タイプ。




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蛇口などの意匠は「きそ」の圧勝だ。
高級感だけでなく洒落たデザインが見ていて飽きない。




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シャワーと浴槽の蛇口はさらに洒落ている。
高級感と輝かしさもさることながら、左右の蛇口の十字をキチンと揃えたくなる統一されたデザイン性が感じられる。




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便座はふたが自動で開閉するタイプ。(「いしかり」は手動)
便器はウォッシュレット(両船舶共通)で、用を足したあと便座から離れると自動で水が流れるようになっている。(「きそ」のみ)




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ティーセット。奥の銀色の容器は電気ポット。
※後日問い合わせたところ、カップはノリタケ食器製、スプーンは燕物産のサントリーニ ティースプーン ゴールドとのこと。

コーヒーはキーコーヒーのトラジャブレンドが4つ、シュガー8本、ミルク4個。お茶はスティックの煎茶とほうじ茶がぎっしり入っていた。

グラスは2個で、「いしかり」に備えられていたワイングラスと氷を入れるサーバーは見当たらなかった。

下の引き出しは冷蔵庫が入っている。庫内の上1/4が冷凍室、下3/4が冷蔵室になっている。棚にはキズが目立った。




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テレビは何型だかわからないが近くで見るとやはり大きい。
このテレビは地上デジタル放送とBS放送が受信できる。
停泊中はともに受信可能、航行中はBS放送のみ受信可能。

奥は水場。ティーセットのすぐそばなので便利。




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ティーカップは陶器製、スプーンは金色の洒落たデザイン。
※後日問い合わせたところ、カップはノリタケ食器製、スプーンは燕物産のサントリーニ ティースプーン ゴールドとのこと。

カップやスプーンがお洒落だとコーヒーがより美味しく感じる。自宅でもこうしたものにもっと凝ってみたくなった。




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★スイート共通サービス


テーブルには船長のサイン入りカードが置かれている。その上には鳥のオブジェ。このオブジェは浴室にも置かれている。




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寝室に置かれている脱出経路図。
この経路図は各部屋専用になっていて、ロイヤルスイートルームでは601号室の位置に黄色くマークされている。

以上が「きそ」のロイヤルスイートルームの紹介。
同規模の2つの船舶が同じ料金で運航しているので、「いしかり」との比較が多くなったが、不満の多くは「いしかり」と比べたときのものなので、単に乗るだけなら十分に満足できると思う。

また「きそ」では「いしかり」への対抗心(?)かフェリー業界王者のプライドか、レストランではスタッフがキビキビ動き、食事を終えたテーブルを丁寧に掃除するスタッフの姿が印象的だった。




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※6デッキ客室側から見るエントランスホールと展望通路プロムナード

以下、船内の様子など。
この日は多数の空室があったが、スイートクラスの客室はセミスイートルーム1室を除いて埋まっていたようだった。




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※7デッキから階下を見下ろす

閑散期は静かなもので撮影にはうってつけだった。




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※軽食コーナー「マーメイドクラブ」(6デッキ)

スイートはレストランの食事券が付くので、ここはまだ利用したことが無い。通りがけにうどんを食べている人を見たらおいしそうだったので、今度乗船したときは食べてみようと思う。




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※OAコーナー「マルルー」(6デッキ)

コンセントにPCなどを繋げて作業したり、充電したりできる。
無料だが提供されるのは椅子とテーブルとコンセントのみなので、インターネットは利用できない。

コンセントは2等以外の客室にはすべて備わっている。
列車や飛行機のようにコンセントの争奪戦が生じないのもフェリーの良いところだと思う。広々した休憩スペースといい、フェリーは他の交通機関に比べて移動中の心の余裕がまるで違う。




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※売店(5デッキ)

停泊先(名古屋、仙台、北海道)の名物や日用雑貨、おもちゃ、アイスやお菓子などが売られている。深夜と早朝と乗船・下船間際の時間帯は閉店しており、レストランの営業中も閉まっていることが多い。




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※5デッキ中央部

自販機コーナー、ゲームコーナー、大浴場が集まる区画で、往々にして客質が低下するエリアだが、太平洋フェリーではそんな心配は殆どなかった。これも私が太平洋フェリーで好きな点の一つだ。




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※自販機コーナー

飲料とアイスとタバコが売られている。一部を除いてほぼ定価販売。
アルコール類は夜間購入不可。なお臭いと汚損防止のためカップ麺の自販機は置いてないそうだ。




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※ゲームコーナー

どのフェリーでも人気が無いのがゲームコーナー。
8年前に乗った商船三井フェリーではドライバー連中がパチスロに夢中になっていたが、太平洋フェリーはどうなのだろう。




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※大浴場(男湯)

堂々と撮影する所ではないので手短に撮った。
浴槽と着替えのスペースはなかなか広い。

ここに洗濯機と乾燥機を置いてもらえると嬉しい。
名古屋⇔苫小牧航路では3日間40時間船内に滞在するし、替えの衣類を洗濯できずに乗船するケースもある。




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※案内所(5デッキ)

太平洋フェリーの女性スタッフは綺麗な人が多かった。
船内放送をメインで担当していた人は声も綺麗だった。

なお仙台港で一時下船する場合は、受付横の同意書に記入し、当日仙台港入港までに窓口に提出する。下船時間は2時間程度なので一時下船しても港の周辺しか散策できないと思う。


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以下、乗船中に撮影した写真など。


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2015年6月1日 4時55分 千葉県野島埼沖

※撮影:7デッキ甲板




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2015年6月1日 13時29分 福島第一原子力発電所

※撮影:7デッキ甲板




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拡大写真




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福島県沖を北へ航行する

※撮影:7デッキ甲板




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2015年6月1日 16時34分 仙台港に一時停泊

※撮影:7デッキ甲板




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隊列を作る3羽のうみねこ

※撮影:7デッキ甲板




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食べ物をもらえると思っているのか、うみねこの警戒心は低い

※撮影:7デッキ甲板




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2015年6月1日 18時47分 仙台港出航間際の夕闇

※撮影:ロイヤルスイートルームリビングルーム




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2015年6月1日 21時46分 だんだんと名残惜しくなってきた

※撮影:ロイヤルスイートルームリビングルーム




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2015年6月2日 3時49分 八戸沖で見た一艘の船

※撮影:7デッキ甲板




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2015年6月2日 4時6分 最終日の日の出

※撮影:7デッキ甲板




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2015年6月2日 6時43分 最後のセルフ撮影

※撮影:ロイヤルスイートルームリビングルーム




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2015年6月2日 7時2分 窓のほうを向く鳥のオブジェ

※撮影:ロイヤルスイートルームリビングルーム




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2015年6月2日 10時8分

※撮影:ロイヤルスイートルームリビングルーム

40時間の船旅が終わりを迎えようとしている。
船旅の何がつらいかというと、この画面を見るときが一番つらい。このままどさくさに紛れて名古屋に戻れないかなあなどと考えても、やはり最後は船を下りるしかない。

荷物をまとめた後、名残惜しくて全ての部屋をもう一度回った。
リビングのソファに寝転び、寝室のベッドに寝そべり、風呂の窓から外を眺め、玄関に着いたとき、とても切なくなった。




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フェリーを降りるときはどうしてこう、いつも名残惜しいんだろう。
飛行機や列車ではこんな気持ちにはならないのに。

4月の「いしかり」の乗船記の最後に「もし再び乗る機会に恵まれたら、今度はきそのロイヤルスイートルームに乗ってみたい」と書いたばかりなのに、その気持ちが抑えられずもう乗ってしまった。

だが今度こそ、次に乗るのは遠い先になると思う。
もしかしてその機会は来ないかもしれない。だから乗りたいときに乗りたいものに乗っておいて良かったと納得している。

※太平洋フェリー「いしかり」 ロイヤルスイートルーム乗船記

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2015年6月 5日 (金)

日本列島南から北へ - 空と海の旅 大阪~名古屋編 -

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※本編は4編のうち3番目の記事になります。

鹿児島からのフェリーを大阪で降り、一足飛びで名古屋へ向かう。
急ぐのは単純に大阪が嫌いだというのもあるが、これから向かう天野ゲーム博物館の滞在時間が短くなってしまうからだ。




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フェリーターミナル発住之江公園駅行きのバスにはレトロな広告が掲げられていた。なお「住之江公園」が大阪のどの辺にあるのか知らないし興味もない。




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バスを終点で降り、地下鉄御堂筋線でなんば駅に向かう。
なお、なんば駅が大阪のどこにあるのか知らないし興味もない。




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バスの移動に時間が掛かり、なんば駅(近鉄:大阪難波駅)に着いたのは予定より遅い10時35分だった。

ホームの掲示板を見ると、11時に名古屋行きの「特急アーバンライナー」が発車するそうなので、それに乗り込んだ。




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この列車、テーブルが肘掛に収納してあった。
前の背もたれにテーブルを収納するタイプだと引き出すとき前の座席に振動を与えてしまう。これは良いアイデアだと思った。

気の短い大阪人のために開発されたものかは分からないが、関東の鉄道にもぜひ取り入れて欲しいと思う。

このアーバンライナーは4駅しか停まらなかった。190kmの距離を停車駅4駅の2時間7分で結ぶのだから快適さと速達性は高い。
停車駅を増やしてばかりの東武鉄道は見習って欲しい。




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名古屋には定刻通り13時7分に到着。(写真は知立駅)

本来乗っていた高速バスより1時間半遅い発車だったが40分遅れまで回復した。しかもバスは停留所から駅まで歩くので、それを考えると25分程度まで遅れを回復したことになる。

…とはいえ遅れは遅れ。
名古屋から最速で天野ゲーム博物館(名鉄西尾駅)に向かっても、逆算すると滞在時間は1時間少々が限度のようだ。
それもかなり危険な橋を渡ってだ。もし帰りの列車が人身事故等で止まったら、場所によってはフェリーに乗船できなくなる。




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14時15分、名鉄西尾駅到着。
先月来たばかりなので道順はばっちり。5分で天野に着いた。




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中に入るとVIPルームが開放されていた。
本来ここはカードキーの所持者と館長からカードキーを借りた者しか入れない。どうやら期間限定で一般開放されているようだ。




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R-TYPEはあいにく故障中。電源を入れても画面が正常に映らなかった。
6ボタンあるのが気になったが、まあダメなら仕方がない。




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ドルアーガの塔をクリアした時点で列車の発車7分前だった。
59階でカメラを取り出し、60階でクリスタルロッドを置きながらカメラを構え、クリアの瞬間に撮影して、そのまま店を飛び出た。

プレイ中、それまで見かけなかった館長の姿を横目でチラッと見かけたので、せめて最後に一言挨拶しておきたかった。




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名古屋に戻り、17時00分発のあおなみ線で野跡駅へ。
野跡駅からFTまで徒歩30分ほど。バスもあるが本数が少ない上、頻繁に遅れるので信用できない。徒歩で向かった。

野跡駅を出たときが17時22分。乗船タラップの取り外しは18時半頃なのでそれまでには十分間に合うだろう。

この後太平洋フェリーを苫小牧まで乗船し、旅の最後を締める。

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フェリーさんふらわあ「さつま」 デラックスB(和室)乗船記

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閑散期の5月30日、鹿児島志布志港と大阪南港を結ぶフェリーさんふらわあ「さつま」のデラックスB和室に乗船した。

今回デラックスB和室を選んだ理由はおもに3つある。
① ファーストシングルの部屋割りが窮屈
② 入浴設備がデラックスB以上の客室にしかない
③ 和室の客室に乗りたかった


船名:フェリーさんふらわあさつま
乗船日時:2015年5月30日(土)18時30分~翌31日8時50分
乗船区間:志布志港→大阪南港
客室等級:デラックスB和室(218号室)
乗船人数:一人
利用プラン:大阪⇔志布志航路 徒歩シングルルームプラン
運賃:上記プランにより15,600円。



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鹿児島中央駅からさんふらわあライナーで志布志港に到着した。

さんふらわあライナーは鹿児島中心部⇔志布志港間で乗船客を送迎する専用バスで、事前に予約した乗船客のみ無料で乗車できる。無料期間は2017年3月末まで(2016年9月時の情報)。

乗船は出航1時間前の17時半から行われた(土曜出航便)。
出航時間や到着時間は航路や曜日で細かく変わるので注意。

※シャトルバス「さんふらわあライナー
※さんふらわあ「航路・時刻表




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エスカレータを上がって船内へ。
この日は多数の空きがあったようで隣室はどちらも空室だった。
フェリーはやはり閑散期に乗るのがベストだ。

客層は職業ドライバーとオートバイのライダーなど弾丸フェリー利用者と思われる人たちが半数ほどを占め、その他の乗船客は大阪航路のためか関西弁で話す人が目立った。




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6階ロビー前。太平洋フェリーと比べると雑多で狭い印象。
ただしそれはフェリー同士で比較した場合の話。他の交通機関には広さで圧倒している。軒並みだがまさに動くホテルだ。




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今回の客室は7階船尾側の218号室()。
客室は6階と7階に分かれ、デラックスとデラックスBは7階の外郭に位置し、内郭はラウンジやツーリスト区画になっている。

各部屋を結ぶ通路は薄暗く陰鬱な雰囲気で、客室というより病棟や社員寮をイメージする。




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独房のような無骨な鉄扉を開けると、中は狭そうながらもちゃんとした和室になっており、ひとまず安心する。




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部屋の中から入口方向を見る。
右の壁際には靴用ブラシと靴べらが掛かり、左のクローゼットには下駄箱や衣服入れ、そして救命具が収められている。




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有効スペースは5畳程度。
そのスペースにテーブルと布団があるので、実際はさらに狭い。




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「2~3人用」の部屋らしいが2人が限度だろう。
テレビは地上デジタル番組とBS放送を受信できる。停泊中はともに視聴可能で航行中はBS放送のみ視聴できる。

今回は正規運賃36,000円(運賃24,000円+貸切料金12,000円)のところ、「徒歩シングルルームプラン」により15,600円で利用した。お盆などの繁忙期は適用外だが、正規運賃より割り引かれる上、貸切料金不要なので、一人で使うなら十分にお得といえる。




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部屋割り図によると広さは8畳なので面積は13.23平米になる。

13平米というと5,000円~6,000円の価格帯のビジネスホテルのシングルルーム(12~15平米程度)と同程度だ。それを2~3名で使えば狭く感じるのは当然だといえる。

だがこちらはビジネスホテルには少ない和室タイプで、二組分の布団が用意され、さらに宿泊と移動を同時に行えるのがホテルには無い強みだ。また先述の徒歩シングルルームプランで考えると、宿泊費を6,000円相当とすれば9,600円で移動できることになる。しかもさんふらわあライナーを無料で利用できる。




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布団とマットレス、浴衣は二組、未開封のタオルが2本備わっている。タオルは他にも浴室にバスタオルが2本備わっている。

布団は綺麗だ。畳には若干の染みが目立つものの、ゴミや埃はなく清掃が行き届いている印象を受けた。




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障子は両開きに開放できる。写真はいっぱいまで開けた状態。
夕方出航して朝早めに到着するので、外を眺める機会は多くない。




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バス・トイレの鉄扉は不意の開閉を防止する磁石が恐ろしく強力で、一度扉を磁石に付けると、力を込めて引っ張らなければ剥がせない。年寄りとか大丈夫なのかなと心配になる。

タオルは足拭きが一枚とバスタオルが二枚、トイレはウォッシュレットで便座除菌用のクリーナーが別に置かれている。




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洗面台にはコップと歯ブラシが1つずつ。
2~3人部屋なのに1つずつしか備えられていないのは一人利用だからと思われる。ドライヤーは壁に設置されている。

洗面所の蛇口は水量の調節が難しい。少しひねっただけでは出ず、ある程度までひねると突然ジャバーッと勢い良く出る。




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シャワー室はカーテンレールの臭いは無く、清潔な印象。

ただしシャワーが最悪だった。
針のような細さの水が数本しか出ず、温度を上げてもなかなか温まらない。注意書きには「シャワーの水温が低いときは10分程流しっぱなしにしてください」とあるが、10分流してもぬるま湯にしかならない。

蛇口側に切り替えるとズドドドドーッと勢い良く出るのに、シャワー側に戻すと針のような細さの水が数本しか出ない。だからといってシャワーの水量を上げると細い水が高圧で射出されるので、間違って局部に当たると飛び上がって悲鳴を上げるほど痛い。

結論をいうとシャワーは役に立たなかった。
蛇口の下に頭を突っ込んで流したほうが楽だし早い。




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棚には目覚まし時計に除菌スプレーとティッシュ。
テレビのリモコンの下には船内の案内が置かれている。

除菌スプレーは洗濯乾燥できない場所では助かる。
それにしてもここには置かれているのに、太平洋フェリーではロイヤルスイートルームにすら置かれていないのはなぜだろう。




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お茶と電気ポットはテレビの下の戸襖を開けた中に入っている。
お茶はティーパックで味はそれなり。冷蔵庫がないのでアイスや冷たい飲料の持ち込みには適さない。

電気コンセントの空きは一箇所。
電気ポットを使わなければもう一箇所使えると思う。


以上がデラックスB和室の紹介。
徒歩シングルルームプランなら十分にお得だが、貸切料金込みの正規運賃で乗る価値があるとは思えなかった。

なお218号室は船尾側の甲板出入口に近いため、甲板に出入りする際の扉の開閉音がもろに部屋に響く。荒っぽい開け閉めをされると轟音とともに軽い振動が来るので、予約の際は注意してほしい。




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以下、パブリックスペースなどを紹介。
受付は20時半~6時半(曜日により21時~7時)以外の時間帯に営業。




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自販機類は充実している。冷凍食品やアイス、飲料やカップ麺など、夜間でも飲食に困らないようになっている。

アルコールの販売は夜間は行われない。なお喫煙室は6階にある。




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レストランは夕食は1,540円~620円、朝食は620円~310円と年齢別に細かく設定されており、朝食の安さが目を引く。

今回は駅弁を持ち込んでいたので利用しなかった。




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ゲームコーナーはパチスロにUFOキャッチャー、ビデオゲームに記念メダル機といったラインナップ。メダル機は故障中だった。

★最後に注意点
大浴場は入浴時間が短く、おおむね21時~21時半には閉まり、翌朝は6時~7時半以降にならないと入れない。
そのため時間帯によっては閑散期でも混み合う。洗い場がさほど広くないので、まず洗い場を確保するために待つことになるかもしれない。今回は実際そうなったので部屋のシャワーで済ませた。




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5月31日の朝6時。目の前の島は徳島県の伊島と思われる。
位置的には徳島県の蒲生田岬と和歌山県の日ノ御埼を結んだ辺り。




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7時25分。淡路島を通過した辺りから天気が良くなった。
この日は全国的に晴れたようだ。




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8時20分、大阪南港に着く直前。
いくつか微妙な点はあったにしろ、静かな時期にリーズナブルな料金で和室に泊まれたので、個人的には満足できた。

ちなみに就寝は21時過ぎで起床は4時過ぎだった。
エンジン音がそこそこ響いてきたわりに熟睡できたのは、普段寝慣れている和室だったからかもしれない。

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