人生の正しいレールに乗る
先日職場でカップ麺を食べていたとき、『それだけしか食べないの?』と目上の社員に言われた。私がはいと答えると、横にいた手下の部下を見ながら『可哀想に』とつぶやいた。
以前の私ならこんなふうに言われたら劣等感を募らせて嫌な気持ちになったし、『家ではちゃんと食べてますから』と変に取り繕い、それを見透かさて墓穴を掘ったと思う。
だがこのときの気持ちは『そう思ってくれると助かる』だった。長年の自転車通勤と質素な飯から、私は周りからおそらく貧乏だと思われている。かつてはかっこいい車で乗り付けて見返したいと思ったりもしたが、今では下らない考えだったと反省している。
後に『可哀想に』と言われた件を振り返ったとき、劣等感を少しも持たなかった自分に気づいた。昔、お金を持っている人はあえて地味にすると聞いて半信半疑になったが、今はその心理がよく分かる。
私は生まれて初めて人生の正しいレールに乗れた気がする。私の人生の正解は広い交友関係を持つことでも趣味に生きることでも結婚生活でもなく貯金だった。貯金だけが強い巨人のように受難から私を守ってくれる。
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