リアルアーケードプロV3-SA レバーメンテナンス
ホリのゲームスティック「リアルアーケードプロV3-SA」のレバーの調子が悪いのでメンテナンスした。
★症状
特定の方向(上と左)に入力する際、引っ掛かりのような感触があり、正しく入力されないことがある。
まずは外し方から紹介。
パーツの名称はセイミツ工業の「単品部品」の欄を参考にした。
① 裏蓋の6本の小ネジを外す
※封印シールを剥がすとメーカー保証対象外になる
② 配線のコネクタ(写真:指し棒)を外す
コネクタは指でつまんで引き抜くだけで外れる。
③ レバーボールとレバーパッキンを外す
軸の裏の-(マイナス)部分にマイナスドライバーをあてがい、軸を固定してからボールを回して外す。
④ ガイドプレート(透明のプラスチック部品)を外す
ガイドプレートは隣り合わせの二つの爪(写真:指し棒)を最初に外してから対角線の残り二つの爪を外すと楽。
⑤ マイクロSW付きプリント基板を外す(写真:黄囲み)
上に引き抜くだけで外れる
⑥ 取り付け板(鉄板)を固定する4本のネジを外す
※このネジは固くてなめやすいので注意
⑦ Eリング(軸のエンド部を固定するC型の金具)を外す
Eリングは鉄の耳かきのような工具(写真)の先端を隙間に入れてこじるように外すと楽。外したときリングが飛ぶので注意
全ての部品がバラバラになった状態。
レバーが入力されないことがあるため、以前軸受け付近に多めにグリスに噴いたのだが、どうやらそれがまずかったらしい。
見ると銀色のフラットワッシャーに必要以上のグリスが付着し、それが糊のような役目を果たしてすぐ下のスプリング受けに貼り付き、浮き上がったワッシャーとスプリング受けが干渉してレバーが入力できなくなっていたようだ。またネットで調べたところ同じ症例を発見した。
よっていったん全てのパーツのグリスを拭き落とし、塗るべき箇所だけ改めてグリスを塗り直した。
塗り直したのは軸受け(白いお椀状のプラスチック部品)とスプリングのみ。ワッシャーは薄く塗って軽く拭き取る程度に留めた。
グリスは専用品(信越シリコーン:シリコーングリスG-501)があるが高い。調べるとこれはプラスチック用のシリコーン系グリスで、ちょう度(≒粘度)は1となっている。一般的に広く使われている金属用のグリスより若干柔らかいみたいだ。
大きな違いは無いようなので、今回は自転車のベアリングに使っているエーゼット万能グリス(品番720:ちょう度2)を使った。
取り付け板(鉄板)を境に取り付ける部品が上と下に分かれる。
順番に並べたので元に戻すときの参考にして欲しい。
なおワッシャーには向きがあるようで、逆さまに付けるとやはり浮き上がってスプリング受けと干渉した。その後正しい向きに付け直したら収まったので、これも参考にして欲しい。
Eリングの取り付け方。
スペーサー(カップ状の黒いプラスチック部品)を指で押さえ、Eリングをはめ込む溝を露出させて溝にリングを仮止めする。
その状態でリングと軸をプライヤーで挟んで押し込む。人力では無理。
ちなみに指の付け根の絆創膏(と血)は、これを撮影するとき三脚の節に手を挟んで切った。痛かったでござる。
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