作品紹介:R-TYPE2(アールタイプ2)
アーケード基板の高騰が著しい。
特に名作といわれるゲーム基板が顕著で、10年前に私が買ったR-TYPEや2画面版ダライアス2の基板も高騰している。
ダライアス2の基板は数年前に当時新宿ミカドのオーナーだった池田氏(現高田馬場ミカドオーナー兼店長)にお譲りした(もちろん有料)。現在ミカドで稼動しているダライアス2はたぶんその基板だろう。
R-TYPEの基板は死ぬまで手放さないと思う。
R-TYPEにはかつて深い影響を受け、人生の決して短いとはいえない期間をともにしている。いっとき金策のために手放そうと考えたことはあったが、結局思いとどまった。今後も手放すことはないだろう。
今日はそのR-TYPEの続編について書き記した。
【タイトル画面 全体的に渋い色遣い 地味でもあり美しくもある】
■R-TYPE2(R-TYPEII / R-TYPEⅡ) 1989年 発売元:アイレム
アイレムの名を世に広めた名作R-TYPEの続編。
渋く美しいグラフィックや新たに加わった武装を引っさげ、高い期待を背負って登場したが、1面を抜けることすら困難な高い難易度がプレイヤー離れを起こし、短命に終わった不遇の作品である。
2の不幸は登場した時期にあると私は考えている。
初代R-TYPE(1987年発売)の登場時、ゲームセンターはシューティングゲームの最盛期だった。
シューティングゲームの盛栄はプレイヤーの増加をもたらし、プレイヤーの増加はプレイレベルの進化や発展につながり、それらは一人あたりのプレイ時間増加、つまりインカム(※)の低下となってオペレーター(ゲームセンターの経営者)を苦しめた。
オペレーターにそっぽを向かれてはゲームメーカーの開発や発売は立ち行かない。そこでメーカーはゲームの難易度を引き上げ、1プレイあたりのプレイ時間を短くすることでゲームセンターのインカムを底上げしようと目論んだ。1989年前後のことであった。
だがその結果はいわずもがな、難しくなりすぎたシューティングゲームは一部のマニアを除くプレイヤーにそっぽを向かれ、おりしも台頭していた対戦格闘ゲームの波にさらわれ、衰退の道を歩んだ。
※インカム:プレイヤーがゲーム機に投入したお金=店の売上
【STAGE8(2周目2面) 天井で分裂する敵 2周目は凄まじい量になる】
そんな時代を招いた一端でもあるR-TYPE2は、ALLクリア(全12ステージクリア)することだけでも一つのステータスとなった。
従来のシューティングゲームはプレイヤーを惹き付けるため1~2面は適当にやっても進める難しさに抑え、3面から殺しにくるいわゆる“3面殺し”が定番だったが、R-TYPE2や同時期に登場したシューティングゲームの多くは1面から殺しにくるのが特徴だ。そのため反復プレイによるパターン化は不可欠で、少しばかり反射神経に優れ、レバー捌きに自信があってもパターンを覚えなければすぐに終了した。
一般的にシューティングゲームの1周目は、上級者のプレイを真似してやりこめばクリアできる難易度にはなっている。それは鬼ゲー、難ゲーといわれるR-TYPE2においても例外ではない。
【STAGE9(2周目3面) 戦艦の上下挟撃 熾烈な攻撃を仕掛けてくる】
ところが2周目は俗に“ボーナスゲーム(おまけ)”といわれるだけあって、1周目より格段に難しくなるゲームが殆どだ。
これはメーカーの意図を代弁すると「基本は1周目のクリアで終了ですが、おまけで2周目を入れました。おまけなのですぐにゲームオーバーになっても文句いわないでくださいね」ということだ。
R-TYPE2の2周目は“地獄”とよく喩えられる。
ただでさえ固い敵が2周目はさらに固くなり、連射装置を使っても破壊が間に合わなくなることがあるため、1周目で破壊した敵を2周目はあえて逃がすなど異なるパターンの構築が必要になる。
また「連射装置」はハイスコア集計店やシューティングゲームに造詣の深いゲームセンターでなければ通常は設置しない。そのことも2の寿命を短くした要因であった。
【STAGE12 最終面 殻粒を壊さず敵弾からの防御壁にして乗り切る】
R-TYPE2の発売から今年で25年。
2014年11月現在、都内ではHey(ヒロセ エンターテイメントヤード)の2階で初代R-TYPEと一緒の筐体で稼動している。
R-TYPE2は私のように初代に入れ込んでから、その関連で2に流れるのが一般的だと思うが、なかには最初から2だけをやり込む人もいる。それも初代を知らない20代後半~30代の若い世代に目立つ。
初代はスコアアタック並みのプレイでなければゲームセンターでの注目度は低いが、2は難度が高いので単なるクリアプレイでも注目が集まる。実際Heyのように多くの人が集まるゲームセンターでは2は初代以上に上級者(特訓してきたであろう人たち)のプレイが目立つ。また難ゲーだけあってクリアできるようになると人に教えたくなるのか、動画サイトには初代以上に解説動画が上げられている。
今年はR-TYPE2の発売25周年。
記念に始めてみてはいかがだろうか。
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