ときわ路パスでひたちなか海浜鉄道へ
天気に恵まれない。
この時期、青空の日が少なくなるのは織り込み済みだが、ここまで週末ばかり天気が悪くなるものかと思って昨年と一昨年の撮影データを調べると、やはり去年もその前も似たような天気で、特に桜の時期は週末の天気に恵まれず、やむなく平日の早朝に撮りに行ったりと相当苦労していた。
今週末も天気は悪いが、かといって引きこもっていても面白くないし、撮り鉄以外にやりたいことがないので、雨合羽持参で決行することにした。
行き先は茨城県のひたちなか海浜鉄道。
写真(上)はJR水戸線の結城駅。
ときわ路パスを買うために下車したついでに撮影。
「ときわ路パス」は茨城県内のJR線全線と関東鉄道、鹿島臨海鉄道、ひたちなか海浜鉄道に1日2,000円で好きなだけ乗れるというもの。
ただしこのパスはエリア内のみどりの窓口または一部の駅の券売機でしか買えないので、たとえば私(宇都宮線久喜駅乗車)の場合、いちどフリーエリア内の駅(今回は結城駅)で降りてその駅のみどりの窓口でパスを購入してから再び改札に入りなおさなければならない。
おそらくフリーエリアまでのキセル防止のため、こんな面倒なことを強いているんだと思われるが、パスを買うために列車を一本見送らなくてはならないので水戸線のように本数の少ない路線では、面倒くささどうこうよりそちらのデメリットのほうが大きいかもしれない。
勝田駅1番線。ひたちなか海浜鉄道のホーム。
ひたちなか海浜鉄道のホームと改札はJR線2番線の一角にひっそりと設置されているので、いきなりだと分かりにくいかも。
SuicaやPasmoなどのICカードには対応してないので、ICカードの利用者がJR線から乗り継ぐ場合、改札横の「出場用」と書かれた清算機にタッチして勝田までの運賃を精算してから左のプレハブの改札窓口でひたちなか海浜鉄道の切符を購入する。
キハ3710形の車内。
外はどん曇り。駅間撮影は期待できないので撮りはほどほどにして乗りや記録撮影を楽しむことにした。
終点の阿字ヶ浦駅。まずは乗り鉄らしく完乗をこなす。
この駅名表示板はデザインが無理矢理すぎていまいちかも。外人に少しも配慮していないところは潔いといえるが。
阿字ヶ浦で駅舎などを撮影し、折り返しの列車に乗って中根駅へ。
中根-那珂湊にて。
結局、駅間では数本撮ったがやはり曇りの日はうまく撮れないし気が乗らない。曇った日に一生懸命撮っても晴れた日の同じ写真には及ばないし、それなら撮っても無意味だと思ってしまうからかもしれない。
人それぞれ趣向があるんだから、私は素人らしく晴れた日にコントラストの効いたシャキッとした絵を潤沢な露出でのびのび撮りたい。
そもそも曇りや雨の撮影は「くすんだ空を入れない」とか「露出が厳しいから流す」のように技法からして後ろ向きだし、たとえば一つの路線や列車を継続かつ集中して撮影するとき、撮った写真の中からメインに据えたい写真を際立たせるための脇役として曇りや雨に撮ったしんみりした写真を添えるならまだ分かるが、それらの写真が主役となるケースはほとんど無いと思う。
最近、旅先で駅の自販機をよく撮る。
後年見返したときに『こんなのあったなあ』と懐かしさに浸れるちょっとマイナーな自販機が主な狙い目で、マイナーすぎると後年見ても売っていたことすら思い出せないだろうし、メジャーすぎると復刻されて懐かしさが失われるので、その辺の選定なども含めて撮影を楽しんでいる。
旅先ではこんなポスターもよく撮る。
実際は全景とアップをそれぞれ撮っている。
「5周年記念~」や「春の~」のように時期や季節を限定したポスターは一見レア度が高く懐かしさを得られそうだけど、実際は後年振り返ったときに忘れていることがほとんどなので懐かしさに浸れる確率は低い。むしろ写真下の「はたちの献血ポスター」のように現在ごく一般的に貼られているポスターのほうが懐かしさを感じられる見込みはあると思う。
もっとも地域性が打ち出されたポスターはローカル性や独自色を感じられて純粋に好きなので、懐かしさどうこうは関係なく撮ることが多い。
まあ、そんなこんなでひたちなか海浜鉄道を後にし、晴天時に予定していた大洗での商船三井フェリーの見送り撮影を中止して、そのまま帰宅。
ひたちなか海浜鉄道からは良くも悪くも凡庸な印象を受けた。
もしまた行きたいかと聞かれたら、たぶん「分からない」と答えると思う。
もっとも、それがひたちなか海浜鉄道だけに通じる思いかというとそうではなく、“ローカル路線”と言われている中小私鉄や3セクの多くが収益を上げられず独自色を打ち出せずに苦しみ、その改善や改革が口でいうほど、また頭で考えるほど簡単ではないことを思うと仕方の無いことなのかもしれない。
結局、“ローカル路線”が生き残るには観光路線への特化を果たすか、運良く都市計画に入って周辺にたくさんの人が移住してくる状況にならない限り無理なのではないか。もしそうなったとしても前者は景観に優れているなど観光路線としての資質を要するしシーズンオフのてこ入れが課題になる。後者は仮に存続できてもそのときはもはや“ローカル路線”ではなくなっていると思う。
なんだかローカル路線について考えると、いつも実現性の乏しい夢も希望もない結論に至ってしまうのが悲しい。
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コメント
基本的には、そのまんまが大切かと。
ゴールデンウイークに一度来てみませんか。
「どこからこんなに」というお客さんが。
シーズンの観光客誘致が、ひたちなか海浜鉄道の収益向上の決め手です。
(吉田)
投稿: ひたちなか海浜鉄道 | 2013年4月22日 (月) 10時23分
コメントありがとうございます。
まあ、そのまんまでいつまでも存続できればそれに越したことは無いのですが。
阿字ヶ浦といえば海水浴場が有名ですね。私も身内が那珂湊に住んでいたのでよく通っていました。震災の影響からは完全に立ち直ったのでしょうか。海水浴場、鉄道ともどもたくさんのお客さんが来てくれるといいですね。
投稿: shige | 2013年4月23日 (火) 21時27分